「最新のデジタル技術を使いこなしたプレゼンをしたい…」。そう思った時に手にとりたいのが戸田覚先生のご著書「“秒速”プレゼン術」です。
プレゼンで使うイラストを自分で描ける
戸田先生と言えば、デジタルガジェットを紹介する記事を様々なところで書いておられる方。そんな方がコロナ禍のプレゼン技術を教えてくれるというので、もうそれだけで興味津々です。
さっそくチェックしたのが、「絵心不要!プレゼン用イラストたった10分で描き上げるワザ」というところ。プレゼンでイラストを使いたいけど、自分の要望にピッタリとあうものがないというのはよくある悩みです。それならば自分で書いてしまえ、とデジタル機材を使って書くワザを紹介してくれています。使うのは、iPadとApple Pencil、そしてProcreate (プロクリエイト)というアプリ。ちなみに、Procreateは「グラレコ」の本園先生も推奨されていたので、この分野では定番アプリなのでしょう。
プロのイラストレーターの方を先生に招いて、イラストを各家庭が本書90pあたりに紹介されています。ただ、著者の戸田覚先生が描かれたイラストは、ちょっと素人っぽさが出ていると感じてしまいました(すみません)。その原因は、輪郭をしっかりと捉えられていないことにあると思います。そうするとやはり本書で説明された技法、
下描きに自信がなければ、その代わりに写真を使ってもいい。「Procreate」にも写真を取り込む機能が用意されている。その上に下描きや本描きのレイヤーを重ねて、対象物の輪郭をなぞればいいというわけだ。
というのを見たかったと思います。
プレゼン資料をスマホに配信
本書でもうひとつ面白いと思ったのが、「プロジェクターはもう古い。プレゼン資料をスマホに配信」というところ。対面でのプレゼンテーションの場合、パソコンの画面をプロジェクターを使ってスクリーンに投影というのが一般的です。でも、これだと大がかりな機材が必要。ところが、スマホに投影できるとなれば、自由度が一気に増します。
全員が手元に何らかのスクリーンを持っているのだから、それを見てもらう形でプレゼンすれば、視力の弱い人も見やすくなるし、ソーシャルディスタンスを保つといった制限にも対処がしやすくなるだろう。
というのは、「なるほど」と思いました。対面でのプレゼンテーションが選択肢1ならば、Zoomを使ったリモートプレゼンは選択肢2。それに続く、第3の選択肢として、対面の場でスマホをスクリーン代わりに使うのはありだと思います。
では、その具体的なやり方。iOS向けのプレゼンアプリにその機能があるそうです。Keynote Liveで接続用のURLを送り、スマホでタップしてもらうだけでこれが実現できるとのこと。スマホの方にはKeynoteのインストールは不要とのことです。
ただ、このようにiOS中心だと、過去に作ったPowerPointの資料という資産が活かせないので、今イチかなぁと思いきや、その解決策も本書では示されています。
PowerPointのプレゼンファイルを取り込むには、OneDriveなどのクラウドストレージを利用すると手っ取り早い。Windowsパソコンで作ったプレゼンのファイルをOneDrive上に保存すれば準備OKだ。iPhoneやiPad側でも、OneDriveのアプリをインストールして、同じアカウントでログインしておく。さらにKeynoteのアプリでOneDrive上のファイルを長押しして「移動」を選び、iCloud Drive上にコピーする。その後、iCloud Drive上でファイルを開く。
という懇切丁寧な説明がなされています。ここら辺は、デジタルにお詳しい戸田覚先生の面目躍如というところでしょう。なお、本書の141pには画像入りの説明があって、より分かりやすくなっています。
プレゼンでは声で緩急をつける
本書はデジタル以外にもプレゼンのテクニックが解説されています。その中でも注目したのが声。アナウンサーの堤友香さんにインタビューする形式で、そのコツが紹介されています。いわく、「聞き取りやすい話し方の基本は『川上から川下へ』だ」とのこと。
大きな声、小さな声ではなく、その人なりに高い声、低い声を意識して強弱をつけます。重要なのは高い声から始まって、低い声で終わるようにすることです。高い音は人を惹きつけます。スタートを高くして、語尾は低い音を意識するんです。
言われてみれば、このような音の調整がされていると、聞き取りやすくなるでしょう。
そして、高い声と話すテンポの組み合わせによって、相手に与える印象が変わってくると言うことも紹介されています。
高低 | テンポ | 相手に与える印象 |
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高い | 速い | エネルギッシュ |
低い | ゆっくり | 説得。落ち着く |
高い | ゆっくり | |
低い | 速い | 仕事が出来る |
画像はアマゾンさんからお借りしました。
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