「Zoomでは言いたいことが伝わらないし、疲れる…」とお悩みの方に手にとって欲しいのが矢野香先生のご著書、「オンラインでの「伝え方」 ココが違います!」です。

「Zoom疲れ」には理由があった

Zoomミーティングの疲れの理由、それはズバリ、

オンラインで「時差があったり、表情がフリーズしたり、ずれが生じたりするとき、人は自分の予測が間違っていて、それを修正しなくてはいけないと認識」し努力するために疲れてしまう

のだそうです(ウィスコンシン大学、ポーラ・ニーデンタール教授の研究結果)。

たしかにこれは、わかります。イメージとしては、「止まったエスカレーター」のようなものでしょう。何かの事情でエスカレーターが止まっているとき、歩いてステップを登らなければならないのですが、ものすごく疲れます。脳の中では「自動的に上がるものだ」と認識しているのに、現実世界とのズレがでた原因なのでしょう。

他にも、

  • 複数の人の表情・声・ジェスチャーなどの情報を一気に処理する
  • 多くの参加者の顔が映る画面を見ると、脳がそれぞれの人と見つめ合っているかのように認識する

ことによる、脳の負荷もZoom疲れの原因と指摘されています。

そして、この対策として、著者の矢野香先生はときには画像をオフにすることを薦めています。Zoomが広まるにつれて、ついつい会議も「画像をつけながら話すものだ」と想いこんんでいるようなところがあります。しかし、実際のコミュニケーションにおいて、例えば電話で十分な場合もあるでしょう。Zoomでもビデオオフにすればいいわけで、そうすると脳の負荷が減ってZoom疲れになりにくいのでしょう。

Zoomではアクションファースト

Zoomのコミュニケーションでもう一つ困るのが、複数の人が同時に話し始めてしまい、それぞれの言葉が聞き分けられないことです。これを避けるためのお勧めが、「アクション・ファーストの法則」。つまり、オンラインで話に割り込みたいときには、まず手を挙げて意思表示してから声を出すという流れです。

対面ではこれとは逆で、「ボイス・ファースト」、つまり、最初に「あのー」や「いいですか?」のようになっているので、この習慣をオンラインでやってしまうと、相手に伝わらないとのこと。要するに、

オンラインとリアルの伝え方には、知っておくべき「ルールの違い」があるのです。この違いを知っておくことは、オンライン時代の「新常識」です。

ということ。この新常識、他にも、「見せる資料はそのまま読む」というものが挙げられています。

オンラインで大事なことは、聞き手の視覚と聴覚を一致させることです。たとえば、スライドの文字と話している言葉は一致していますか?スライドの文字「視覚」と話している言葉「聴覚」がことなることはよくある悪い例です。

とのこと。さらに、「表やグラフは結論から話さない」というコツも紹介されています。

最初に、聞き手が知りたいことは、そのデータが何を示しているのかや、その表やグラフ軸の説明など概要についてです。ですから、グラフから読み取れる結論から一方的に説明するのは避けましょう。

Zoomビジュアルの基本

さらに、Zoomでの「見栄え」に関してもさまざまなコツが紹介されています。まず基本は「台形バストショット」。つまり、

画面の上部をほどよく開け、肘を張って台形になるように映る

というもの。逆に、肘を張らずに長方形型で見えるのは「こけし」のように見えて、

相手から見ると受け身で積極性がないように見えてしまう

のだそうです。

さらにZoomを使うパソコンの設定も重要で、「角度は95度」だそうです。つまり、パソコンを横から見たとき、カメラの部分が地面に対して95度の角度で設置されていると、もっとも写りが良くなるそうです。

また、ちょっと面白い例として、「資料は持ち上げて読もう」という提言もされていました。逆に資料を置いたままだと、Zoomの画面の中では下の方を向いているだけに見えて、聞き手に興味がないように見えてしまいます。これを避けるために、

資料を見るときは、画面に資料が映る程度まで持ち上げましょう。資料を持ち上げるのがキツいという人は、下に置いた資料も一緒に写るような広めのサイズで自分を映すことをお勧めします。

とあって、実用的なアドバイスだと思います。


画像はアマゾンさんからお借りしました。

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