Zoomの連携サービスを紹介するシリーズ、60回の区切りを迎えたのでまとめてみます。なお以前のまとめ記事は下記をご覧下さい。
- 第1回から第10回のまとめ:コロナウィルスが変革を促すリモート営業の人材像
- 第11回から第20回のまとめ:業界特化型サービスの可能性
- 第21回から第30回のまとめ:豊穣なるZoomチャットの世界
- 第31回から第40回のまとめ:Zoomエコシステムに見る米国経済の強さ
- 第41回から第50回のまとめ:既存の境界線を崩すZoomという「劇薬」
これから高まる「おてがる」動画へのニーズ
まずは、第51回から60回までの連載を下記に掲載します。
- 第51回 ZoomとWeconveneで金融市場との対話をオンライン化
- 第52回 ZoomとGist連携で動画内のコンテンツ検索
- 第53回 ZoomとSplunk連携でITシステムを一括監視
- 第54回 ZoomとDrift Video連携でマーケティング用ミニ動画を簡単作成
- 第55回 ZoomとWorkiz連携でフィールドサービスの向上
- 第56回 ZoomとPrezi連携で魅惑のプレゼンテーション
- 第57回 ZoomとKolabtree連携で研究開発を外注化?
- 第58回 ZoomとTutor Platform連携で家庭教師をZoom化
- 第59回 ZoomとBIM360連携で製図作業を効率化
- 第60回 Zoomとe2grow連携で従業員の行動変容
注目したいのは、第54回で紹介したDrift Video。わずか3クリックで動画を作成できるというもので、これから人気が出るサービスではないでしょうか。というのは、今後ますます動画の需要は高まってくるから。それも、youtubeに掲載するほどの大がかりなものでなくても、
- 仕事のこつを同僚に伝えたい
- 簡単な挨拶をお客様に送りたい
- 株主に自社を印象づけたい
のような、手軽な動画が求められていく予感があります。この点で、Drift Videoはgif動画を簡単につくることができるので便利です。
「手軽な動画」というのはわけがあります。何かを伝えるのに動画が有効なのはいうまでもありませんが、実はそこには「見るのに時間がかかる」という欠点があるからです。もちろん、2倍速で見るという方法はありますが、それでもひとつのコンテンツを理解するためには最初から最後まで通しで見る必要があります。
これに対して、本などのテキストコンテンツであれば、「斜め読み」、つまり要点だけを拾い読みすることができて便利です。もちろん、そこには「読む」能動的にアクションが必要であり、手間がかかるのですが。
と言うことは、この両者のいいところをとるために、「手軽な動画」による要点説明+テキスト、というフォーマットは今後伸びていく気がしています。たとえば、Zoomの録画機能で動画を簡単に作成できれば便利なので、Drift Videoに注目しました。
静かに盛り上がる音声コンテンツ
上述の動画の欠点を補うもう一つの形が、第52回で紹介したGistによる動画内検索です。Zoomの録画の場合、動画とともに音声も記録されます。その音声を文字譲歩として検索できるというのは、応用範囲が広いサービスだと感じます。たとえば、Zoomミーティングで行った会議の議事録などは典型的でしょう。理屈から言えば、Zoomの録画機能を使えば、人手による議事録作成は不要です。何かあったら録画を見直せばよいわけですから。とはいえ、ここでも動画の弱点である、「通しで見なければならない」という問題に突き当たります。
これを回避するために、キーワードによる検索で、Zoomミーティング内の○分にそのキーワードが現れる、と分かれば効率は一気に高まります。そして、これは、次に述べる音声コンテンツの盛り上がりと軌を一にするものです。
zoomセミナーを検索できる時代
実はいま、音声コンテンツも静かな盛り上がりを見せています。2021年の念頭からネット上で話題の「音声SNS」Clubhouseは根付くかどうかは分かりませんが、Amazonのアレクサやgoogleのネストなどによる、音声検索はすっかり根付いた感があります。その広がりは検索を超え、教育コンテンツやニュース、はては音声ゲームまで現れています。
この流れと上述のGistによるZoomミーティング内の音声検索がつながったとき、大きなイノベーションが起こるような気がしてなりません。たとえば、Zoomで行ったセミナーの多くがネット上で公開されたとしましょう。その中から、自分の興味があるコンテンツを音声検索によって探し、ピンポイントでその場面だけ見るということも可能になります。これによって、「多すぎて選べない」という動画セミナーの悩みから解放される可能性もあります。