プレゼンテーションイベントのTED。一本一本の動画も参考になるのですが、様々なプレゼンを横断的に見てみると、実は成功法則が6つに集約されるってご存じでしょうか?それが、
- シンプルであること
- 意外性
- 具体性
- 信頼性
- 感情
- ストーリー
です。……っていうのは、そんな意外でもないですよね。まあ、それはそうだろうな、と言う感じで。実際、上記6つの原則も昔から提唱されています(チップとダンのハース兄弟による「アイデアのちから」)
ただ、それが「分かる」からといって実際のプレゼンの場で「できる」かというと、そうでもありません。ここに、上記6つの原則を、TEDの実際のプレゼンにもとづいて具体的な事例とともに紹介している本、TEDに学ぶ最強のプレゼン術の意義があります。なんでも、著者のカリア氏は、TEDのプレゼンの中かから厳選200本を分析したとか。ちなみに、TEDの成功法則は、ウィル・スティーヴン氏が「頭良さそうにTED風プレゼンをする方法」でパロディにしていますが、本書はごく真面目な内容です(スティーブン氏のも、ある意味真面目ですが)。
たとえば、「プレゼンの導入部で避けるべき3つの過ち」(42ページ)では、下記の3つの失敗パターンが述べられています。
- 退屈な自分の話で始める
- 形式的な感謝の言葉で始める
- ジョークで始める
ちょっと意外に感じる人もいるかもしれないので、引用してみましょう。
重要なのは、自分についてではなく、聞き手について話すことだ。大切なのは自分ではなく、聞き手である。よって導入部は、聞き手に焦点を当てよう。聞き手のためにあなたが解決できる問題は何か、提供できるメリットは何かを明確に伝えよう。
たしかに、それはそうですよね。プレゼンの聞き手は、正直なところ話し手そのものに興味があるわけではありません。もちろん、話し手が超有名人なら別ですよ。たとえばスティーブ・ジョブズがプレゼンをするならば、それだけで聞きたいと思うでしょう。
でもね、営業でのプレゼンやカンファレンスでの講演は一般人が行うわけで、それなのに冒頭から「○○という会社の△△と申します。私は□□の仕事をやっていまして…」なんて自己紹介されたら、「そんなのいいから、早く内容に入ってくれ」と思いますよね、聞き手は。
似たような話をまた引用しましょう。
要するに、冒頭で「ありがとうございます」という型どおりの挨拶を言わないのが重要なのだ。自分が他のスピーカーとは違うことを示す機会を失うだけではない。聞き手に話を聞いてもらえなくなるし(いずれにしてもあなたが何を言うかは分かっているのだから、わざわざ耳を傾ける必要もないだろう)、感謝の言葉も本気では受け取ってもらえない。
いかがでしょう?ここまで来ると、たしかに上述の3つのやり方はプレゼンの冒頭としてはよくないよな、とピンと来るのではないでしょうか。
では、どうやったら言い導入ができるの?という疑問に対しては、著者のカリア氏は5つの方法を進めています。
- ストーリーで始める
- 質問によって知識の隙間を作る
- 引用する
- 興味深い話や衝撃的な事実で始める
- コールバックをする
ちなみに、「コールバック」というのは、プレゼンテーションをしているイベントの前やイベントの間に起こった出来事を振り返るテクニックとのこと。
他にも様々な「すぐにも役立つ」テクニックが紹介されていますので、下記にまとめてみました。
プレゼンでストーリーをメンタルムービーに変換するVAKSの法則
聞き手がストーリーを脳内で映像化できるようにするには、たくさんの感覚情報を伝える必要がある。視覚(Visual)、聴覚(Auditory)、身体感覚(Kinesthetic)、臭覚(Smell)の4つの感覚を伝えよう。
アルコール中毒の人について語るなら、「ジョンは飲酒問題を抱えている」と言うのではなく、
ジョンは、毎日、仕事から家に戻るなり、ビールの栓を抜く。テーブルにつき、ひとりで、次から次へと瓶を空けていく。10本以上を空にした後、真夜中になる頃、テーブルに突っ伏して眠ってしまう
プレゼンで例え、直喩、暗喩を使う
オレンジ色の3つのボールをジャグリングしながら、
もし私が、今、ボールだけに集中しすぎると、同時に力を抜いて話すことができません。同様に、気を緩めすぎて話をすれば、ボールに集中できず、ボールを落としてしまいます。人生においても、瞑想においても、集中しすぎてしまうことがあります。そうなると、人生が少し窮屈になり始め……
プレゼンですぐれたストーリーを作る5つのC
- 登場人物(Character)
- 葛藤 (Conflict)
- 救済 (Cure)
- 登場人物の変化 (Change in Character)
- 持ち帰るべきメッセージ (Carryout message)
TEDプレゼンテーションに備える8つの方法
- リハーサルする
- 体を動かす
- 会場内を歩いてみる
- ステージを知る
- 機器を試す
- 冒頭をやってみる
- 音楽を聴く
- 成功をイメージする
- 投稿タグ
- ★★★★☆