Zoomの連携サービスを紹介する第3回はEpic(エピック)です。Zoomを医療現場で使うというのは大いに「あり」ですね。
電子カルテシステム大手Epic社
まずはEpic社の説明から。同社は1979年に創業された、老舗にして大手の電子カルテシステム提供会社です。EMR (Electronic Medical Record:電子医療記録)と従来呼ばれていた分野ですが、最近では病院の枠を飛び越えて地域前提で医療情報を共有するEHR (Electric HealthRecord:電子健康記録)や、個人の生涯にわたってデータを蓄積するPHR(Personal Health Record:個人健康記録)という考え方まで広がりを見せています。
Epic社の提供する電子カルテシステムHyperspace(ハイパースペース)は、30%のマーケットシェアを持つとも言われる米国でもっとも普及しているシステムの一つです。これをZoomと接続できるというのが今回紹介するアプリです。
ZoomをEpic Hyperspaceと連携する
医療従事者にとっては、このアプリを導入することで下記のメリットがあります(翻訳はプレゼンテーション・カレッジ)。
- Be notified via Hyperspace when a patient has joined the scheduled video appointment (オンラインミーティングのアポイントメントに患者が来院したときに、Hyperspaceを通じて通知を受け取る)
- Start Zoom video visits directly from Hyperspace while continuing to document case notes in Epic (Epicでカルテを書きながらHyperspaceから直接Zoomミーティングを開始できる)
- Invite additional participants to the video visit (Zoomミーティングに他の患者を追加することができる)
一方で、患者側のメリットは下記になります。
- Launch Zoom from MyChart Patient portal on personal computer or mobile device (パソコン上、もしくはモバイルのMyChart患者ポータルからZoomを起動できる)
- Receive customized message when joining the video visit before the provider (医療従事者より先にZoomミーティングに参加した場合、カスタマイズされたメッセージを受け取ることができる)
- Rejoin the video visit even after dropping out as long as the provider is still in the session (Zoomミーティングから落ちてしまった場合でも、医療従事者が続けている限り再接続できる)
上記で触れられているMyChartというのは、スマホアプリにもなっていますが、それこそ個人の健康データを蓄積するPHRの一種でしょう。
日本でも期待されるZoomの医療現場への導入
コロナウィルスの影響でオンライン診療が広まっているようです。厚生労働省のページにはその使い方が載っていて、いわく、
- 診療内容の確認:電話・オンライン診療を行っているか確認
- 事前の予約
- 診療
- 診療後
とのこと。診療後に薬の処方を受けた場合は、
薬が処方され、薬の配送を希望する場合は、薬を出してもらう最寄りの薬局を医療機関に伝えたうえで、診察後、薬局に連絡してください。
電話やオンラインによる服薬指導を受けられ、その後、薬が配送されます(薬局に来訪されて服薬指導を受ける必要がある場合もあります。)
ということになるそうです。
コロナウィルスが心配な今の時期、急ぐ事情がなければZoomを使って自宅にいながら診察してもらえれば、感染のリスクを減らすことができるのでありがたいですね。実際、「リモート診療 Zoom」でgoogle検索すると、300万件近い情報がヒットするので、着実に日本でも広まっていると思われます。
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