Zoomの連携サービスを紹介します。第24回はZoomとClio (クリオ)との連携です。なお、そもそも「Zoomの連携サービスって何?」という方は、第1回をご覧下さい。
「商売」としての弁護士事務所
「弁護士事務所」と聞いてどんなイメージをお持ちでしょうか?欧米ドラマを見る人ならば、スタイリッシュな弁護士たちが法廷で活躍するイメージでしょうか?はたまた、人情派の弁護士が親身になって相談に乗ってくれる?もちろん、そういう姿もありますが、一方で弁護士事務所も「商売」です。儲けるためにはどうしたらいいかも日夜頭を絞っています。
この答え、実は出ていて、下記のような特徴がある弁護士事務所は成長するのだとか。
- 弁護士数の増加率以上に収益と案件獲得数の上昇率が高い
- 弁護士の稼働時間の内、請求可能時間の割合を高める
- 割引をせずにできるだけ正価で請求する
などなど。
これをレポートで提唱しているのがClioです。
法律業務管理プラットフォームClio
なぜ、Clioがこのようなレポートを作成できるか。それは、Clioは「法律業務管理プラットフォーム」を提供しているから。つまり、法律事務所の運営に関わる、受注管理、人員管理、文書管理などができるワンストップサービスを提供しているのです。したがって、Clioには数多くの弁護士事務所のデータが集まり、そこから上記の「儲かる弁護士事務所」の姿が浮かび上がってきたというわけです。なお、これに関しては、「法律事務所の経営に関するアメリカのレポートがとても面白いので、抜粋和訳しました。」と言う記事が面白いのでご興味がある方はぜひチェックして下さい。
では、Clio本体の説明を見てみましょう。
Manage your firm, cases, and clients easily from the cloud—and get back more of your day
あなたの事務所、訴訟案件、クライアントの管理がクラウドで簡単にできます。おかげで仕事がはかどります。
業界特化型のサービスという点では、フィットネスジムを管理するための「第9回 ZoomとMINDBODYを連携するFitGrid」、「第15回 Zoomと語学学校プラットフォームLangLionを連携」などと同様の位置づけのサービスでしょう。
ただ、この法律事務所向けの分野、よりひろくは「リーガルテック」と呼ばれますが、より大きな可能性を秘めています。なぜならば、弁護士業務の多くは人工知能(AI)で取って代わられる可能性があるから。というのは、弁護士の仕事の多くを占めるのは、過去の判例を調べること。このような作業、人間よりも人工知能の方が得意です。実際、英オックスフォード大学でAI(人工知能)の研究を行うマイケル・A・オズボーン准教授の論文、「雇用の未来—コンピューター化によって仕事は失われるのか」によると、10年後になくなっている仕事の中に「弁護士助手」というのが入っています。
Clioはすでに、ITと言う切り口で弁護士事務所に入り込んでいます。であれば、このAIを使った判例調査もサービスに加える可能性は大きいでしょう。
Clioから簡単にZoomミーティングを設定する
では、ClioとZoomの連携を見てみましょう。
The Zoom integration with Clio allows you to quickly and conveniently schedule Zoom meetings from your Clio Manage calendar so that you can remotely meet with your clients, co-counsel, or law firm colleagues.
ClioとZoomの連携によって、Clioのカレンダーから簡単にZoomミーティングを設定できるようになる。クライアントの面談や同僚とのリモート打合せが簡単にできる
となります。コロナウィルスの影響で、弁護士事務所といえども対面での面談はできるだけ避けたいところでしょう。弁護士さんが普段使っているClioからZoomミーティングが設定できたら便利なのはいうまでもありません。
そして、このような場合、セキュリティが重要になります。何せ法律相談ですから、途中で誰か余計な人が「乱入」なんてことになったら困ります。米Zoom社が、2020年4月以降「90日プラン」で一生懸命セキュリティを高めようとしているのは、このような使い方も増えているからでしょう。
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