Zoomの連携サービスを紹介します。第126回はZoomとManageBac (マネージバック)との連携です。なお、そもそも「Zoomの連携サービスって何?」という方は、第1回をご覧下さい

世界共通の大学受験資格、国際バカロレア

「国際バカロレア」という言葉を聞いたことがあるでしょうか?英語ではInternational Baccalaureate (IB)と呼ばれる世界横断のプログラムで、世界共通の大学入試資格です。たとえば親の転勤で母国外で学んだ場合を考えてみましょう。高校までの教育はA国で受けて、A国内では大学入学の資格を持っていても、B国ではその資格が通用しないと言うことは起こりえます。これではもったいないので、国際バカロレアという枠組みを用意して大学入学の資格を統一しようという考え方です。

加えて、国際バカロレアでは、21世紀型スキルのような、「実務に活かせる教育」を志向しているように見えます。もともとがフランス発の考え方だからでしょうか、いわゆる「人文科学」や「哲学」を色濃く盛り込んだカリキュラムに見えます。具体的には、

  • 自分自身について
  • 私たちがおかれている場所や時代について
  • 自己の表現方法について
  • すべてのことはどのように機能しているかについて
  • 社会を体系づける方法について
  • 地球に共存する術について

の6つのテーマを軸にカリキュラムが展開されているようで、きわめて今風です。

ただ、カリキュラムに特徴があるがゆえに、既存のラーニング・マネジメント・システム(LMS)とは相性が良くないのかもしれません。ここに、ManageBacの存在意義があります。

国際バカロレアを支えるLMS、ManageBac

では、ホームページを見てみましょう。

ManageBac is the leading IB learning management system (LMS) – the trusted choice of over 3000 IB World schools supporting the IB DP, CP, MYP and PYP.

ManageBacは最先端のIB向けLMSです世界で3,000を超えるIBスクールに導入されている信頼感で、IBのDP、CP、MYP、RYPをサポートします。

とのこと。3,000という数字を考えると、ほぼ国際バカロレア界のデファクトスタンダードと言ってもいいのではないでしょうか。なお補足をすると、後半のアルファベットの省略語は下記を意味します。

  • DP (Diploma Programme: ディプロマ・プログラム)
  • CP (Career-related Programme:キャリア関連プログラム)
  • MYP (Middle Years Programme:ミドル・イヤーズ・プログラム)
  • PYP (Primary Years Programme:プライマリー・イヤーズ・プログラム)

すなわち、年齢に応じてプログラムがあり、これらを全て網羅しているのがManageBacなのです。

ちなみに、日経デュアルに、日本人でManageBacを利用されている方の記事があったので、使い勝手等を知るためには格好の材料かもしれません。

Zoom授業はヨーロッパではより必要かも

では、ZoomとManageBacの連携を見てみましょう。

Teachers will be able to schedule online lessons using Zoom directly from their Class Homepage, or Class Calendar.  Once a lesson is scheduled, a Zoom link will be automatically generated and displayed in the Class’ Resource Stream, as well as on the Teacher’s and students’ calendar.

ManageBacのクラスホームページやクラスカレンダーから、先生は簡単にZoomを使ったオンラインレッスンをスケジュールできます。Zoomミーティングを設定すると、リンクが自動的に生成され、クラスの「リソース・ストリーム」に表示されます。もちろん、先生や生徒のカレンダーにも表示されます。

とのことなので、かなり本格的に(もしくはそのために手際よく)zoomとの連携がなされていそうです。考えてみれば、国際バカロレアが生まれたヨーロッパではコロナウィルスの第3波の影響は日本よりも甚大とのニュースも聞きます。ならば、Zoomによるオンライン授業はより求められているのでしょう。

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