「エレベーターピッチをマスターしたい…」。そう思った時に手にとってしまうかもしれないのが小杉樹彦先生のご著書「世界一わかりやすい 20秒プレゼン実践メソッド 特別講義 -The Elevator Pitchの魔力-」です。
エレベーターピッチは短時間のプレゼンテーション
まずはエレベーターピッチとは何かから。著者の小杉樹彦先生は、エレベーターピッチがあらゆるコミュニケーションの基礎に当たるとして、下記の3つのメリットを説きます。
- 相手が初対面でも活用可能
- 「伝わる」ことが第一目的
- 20秒程度の最短時間で実践
そして、
圧倒的不利な状況から、短時間で奇跡の大逆転を起こす方法論
であると提唱しています。ちなみにエレベーターピッチの由来としては、
起業家がエレベーターの中で投資家と遭遇したときに、目的の階に到達するまでの20秒足らずの間で、自身のビジネスプランをプレゼンしたことから、そうなづけられたといわれている
とのことです。
エレベーターピッチのダイヤモンド・メソッド
では、このエレベーターピッチを上手にやるためにはどうしたらよいか。著者の小杉樹彦先生が提唱しているのが、「ダイヤモンド・メソッド」です。これは、
- 結論(フック)
- ポイント (利点1、利点2、利点3)
- 展望(クロージング)
からなるもので、図で整理するとダイヤモンド型になっているのでこの名称をつけたとのこと(詳しくは本書81pを)。
この中から、「フック」を紹介しましょう。これは英語で「鉤」を意味し、
相手の注意を引くねらいで使う言葉やもののことである
とのこと。そのためには、
- 質問からはじめる
- 「最も~」からはじめる
- 相手を褒めることからはじめる
と言う3つのパターンがあるそうです。
このパートは、読者としては「分かったような、分からないような」という感想です。言ってること自体は分かりますが、では具体的にはどのようなセリフになるかイメージがつかめないためです。具体的な例もあると、より本書の説得力が増すのではないでしょうか。
プレゼンでは想定問答をシミュレーションする
プレゼンテーションと言えば、質疑応答が定番。そのための想定問答を事前に準備することを著者の小杉樹彦先生は提唱しています。とはいえ、どんな質問が出てくるか分からない場合もあるでしょう。そんなときのために、いくつかの質問が本書では紹介されています。
- 提案内容は「一言」でいうと何ですか?
- なぜ、この提案を考えたのですか?
- この提案にかける熱意、思いは何ですか?
- この提案は我々にどのような価値を提供できますか?
- 最終的に目指すゴールはどこですか?
- この提案を実現するための方法は何ですか?
- あなた(会社)について教えて下さい。
- 競合はいますか?その場合の差別化は何ですか?
- この提案で最も困難だと思われる点は何ですか?
- この提案を実現するための計画を教えて下さい
- この提案はあなた一人(自社)だけで実現できますか?
- この提案は「100%の問題解決」or「部分改善」ですか?
- 部分改善の場合、その理由を教えて下さい
- 市場調査はどのように行いましたか?
- この提案を受け入れるにあたって課題はありますか?
- 提案を受け入れた後のフォローはありますか?
- この提案を受け入れるにあたってお金はかかりますか?
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