プレゼンテーションは自分が上手くなるのも難しいものですが、人に教えるのもまた難しいものです。
部下・後輩に指導しながら、「何をどう言ったら、プレゼンが上手になってもらえるんだろう?」と悩む人も多いのではないでしょうか。
プレゼンテーションを女子大生に教えてみた
そんな方にお薦めの書籍がこちら。
福岡女学院大学浮田ゼミ著、心をつかむビジュアル・ストーリー型プレゼンテーション―ふつうの女子大生たちが身につけた抜群のプレゼン力の秘密
読むべきところは172pからの「ワークショップでグループからチームへ」というところ。ここは、浮田ゼミの浮田先生の視点で、どのように学生に指導するかが微に入り細にわたって解説されています。
たとえば、指導のスタートはこんな風に始まります。
まず授業の始まりに自分の気付いたことを3人程度選びスピーチさせます。気づきのスピーチなのでテーマは何でも構いません。スピーチが終わったらタイムを伝えます。だいたい1分30秒くらいが多いようです。2分以上話すのは大変なことを時間的な感覚として自覚させ、話す内容を上手に構成しないとうまくいかないことを初期段階で体験させます。
このように受講者が「知らないこと、できないこと」に気付かせるのは「クリアリング」というテクニックですが、プレゼンテーションに限らずセミナーでスキルアップを指導する際にはとても重要なことです。
そして、浮田先生の授業はこうつづきます。
ここで少し緊張感を解いていきます。あまり緊張感が強すぎると、次の発言に対して気後れしてしまう生徒・学生がでるからです。ワークショップとは参加者の考えなどを効果的に引き出すための授業です。緊張感を高めたり、ゆるめたりして教室を活性化させなければなりません。
これまたプレゼンテーションのセミナーで言えることですが、「ここでは失敗しても大丈夫だ、だからどんどんトライしよう」と思わせることが重要なのは言うまでもありません。
なお、上記の指導のポイントは、かなり省略して引用していますので、詳しく知りたい方はぜひ本書を手にとって下さい。
女子大生式プレゼンテーション22のステップ
肝心のプレゼンテーションのやり方ですが、浮田先生の指導を受けた女子大生たちは下記の22のステップを踏んでいるとのこと。最初は粗原稿から入ってスピーチを行う。そしてだんだん原稿を仕上げていき、その後のプレゼンでは原稿読みの度合を下げていくというのは、面白いアプローチです。
- 発表者の選定
- 発表者が粗原稿を作る
- スピーチを行う
- スピーチを観て聴いて パワポ班がスライド案を組み立てる
- マーケ班が推敲する 文書表現のチェックや要約を行う
- スピーチを行う
- スライドと合わせてスピーチ
- 原稿の推敲
- スピーチを行う
- 原稿推敲とストーリー性を組み立てる
- スピーチからプレゼンテーションに変更 役割の修正 まだ原稿は手元に
- プレゼンテーション タイムはいる 原稿読み60%に修正
- プレゼンテーション ジャッジはいる 原稿読み30%に修正
- プレゼンテーション 質疑応答はいる 原稿読み10%に修正
- プレゼンテーション 録画はいる 以後録画でチェック 原稿は読まない
- 発表者は原稿を自らの言葉に修正
- プレゼンテーション 会場環境設定 同様な環境で行う
- プレゼンテーション 外部者よりジャッジを受ける
- リハーサル→改善
- リハーサル→改善 公開リハーサル
- リハーサル→改善
- 本番
前ページ 後藤芳文 (著), 伊藤史織 (著), 登本洋子著、学びの技 14才からの探求・論文・プレゼンテーションを読む |
次ページ 佐藤綾子著、安倍晋三プレゼンテーション 進化・成功の極意を読む |
|
---|---|---|
プレゼンテーションセミナーのページに戻る |
- 投稿タグ
- ★★★☆☆