Zoomの連携サービスを紹介します。第177回はZoomとSakai (サカイ)との連携です。なお、そもそも「Zoomの連携サービスって何?」という方は、第1回をご覧下さい

料理の鉄人、坂井シェフにちなんだLMS

「料理の鉄人」というテレビ番組をご存じでしょうか。「キッチンスタジオ」と呼ばれるテレビ局内に設けられた厨房施設で、料理の達人が腕を競い合うというものです。この番組、欧米にも輸出されて、その名も”Iron Chef”という番組名で人気を博したのだとか。この番組に登場するフレンチの鉄人坂井宏行の名前を冠したラーニング・マネジメント・システム(LMS)が、その名もSakaiです。

坂井シェフの名前が使われた由来はウィキペディアをご覧いただくとして、Sakai LMSはオープンソフトとして運営されています。位置づけを確認するために、LMSの比較サイトであるeLearningIndusryをチェックしてみましょう。まずは、Christopher Pappasさんによる記事、「LMS Accessibility Comparison: Blackboard vs Desire2Learn vs Moodle vs SAKAI」からです。

この中に出てくるBlackboardとMoodleは、大学で使われているLMSの中でも世界を2文すると言うほど有名なものです。Moodleはこの連載の「第115回 ZoomとMoodle連携でLMSを制覇」で紹介しましたし、Blackboardの方はプレゼンテーション・カレッジ代表の木田知廣がブログ「世界のトップ大学80%を支配するBlackboardが売却?」や「BlackboardがMoodleを買収。そして戦場はビッグデータへ」で論考しています。

これらと横並びで比較されているので、Sakaiは主に大学での利用を念頭に開発されたということが理解できます。

評価は必ずしも高くないSakai

では、Sakaiの評価をさらに知るために、ユーザーの声を聞いてみましょう。再びeLearningIndustryからですが、総合の満足度は64%ですから、あまり高いとは言えません。当連載で取り上げてきたLMSの満足度、上位をざっと並べると下記の通りとなります。

LMS名 満足度
LearnUpon 97%
Schoology 94%
Thought Industries 89%
Canvas 68%

これらと比べると、64%という満足度は低く見えてしまって、坂井シェフの名が泣いているような気がしますが…。

ユーザーのコメントも拾ってみましょう。よい点としては、

Ease of use, the menu on the left for easy navigation, intuitiveness, and ability to create customized lessons

使いやすい。左メニューでのナビゲーションは直感的で分かりやすいし、カスタマイズされたレッスンをつくるのも簡単だ

とのこと。しかし、厳しい声もあって、

It’s an open-source product, so that means the community gets to decide what gets added or fixed, which may be or not be what you want worked on first!

オープンソースだから、開発コミュニティがどの機能を追加して、どの不具合を修正するかを決めることになる。それが、ユーザーの優先順位と異なることがある!

という、ある意味宿命的な点も指摘されています。

Zoom連携を提供しているのは、「あの」Coso社

では、ZoomとSakaiの連携を見てみましょう。

Streamline your virtual classroom, office hours, and study group workflows while realizing improved security between Zoom and your Sakai LMS.

ZoomとSakai LMSの連携のセキュリティを高めつつ、バーチャルクラスルーム、オフィスアワー、スタディグループの流れを整頓します

なお、この連携ソフトもCoso Cloud社から提供されています。Coso Cloud社は他にも、「第113回 ZoomとCanvas LTI連携でバーチャル大学を実現」や「第115回 ZoomとMoodle連携でLMSを制覇」で紹介した、メジャーLMSとZoomを連携するソフトを作っている会社です。こうなると、いっそSakai LMSよりもCoso Cloud社の方が興味を引きますね…。

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