Zoomの連携サービスを紹介します。第88回はZoomとOnna (オンナ)との連携です。なお、そもそも「Zoomの連携サービスって何?」という方は、第1回をご覧下さい

会社の業績を上げるナレッジ・マネジメント

ナレッジ・マネジメント (knowledge management)という言葉を聞いたことがあるでしょうか?社内のノウハウ(ナレッジ)を集約、共有することで業務の効率化を図ろうというものです。たとえば、営業マンのセールスのノウハウ。エース級の営業マン一人が成績を上げるのではなく、そのノウハウを体系化して他の人に伝えれば、すべての営業マンの成績が上がり、会社としても売上アップが見込めます。

理論的背景としては、「企業内には様々なノウハウが埋もれている。それを共有することができるはずだ」という概念からなるSECIモデルがあります。これは、野中郁次郎教授、と竹内弘高教授が提唱したもので、個人の頭の中に持っているノウハウ(暗黙知)を共同化(Socialization)させるためにも、まずはノウハウを表出化(Externalization)させ、それらを結合化(Combination)することで新たなノウハウを構築し、それを個々の社員が内面化(Internalization)するプロセスを指します。

これを、ITシステムを使って実現しようと言うことで、2000年代以降様々なサービスが生まれました。キーワードで言うと、データマイニング、データウェアハウス、ナレッジ・シェアリングなどなど。その流れをくむのが今回紹介するOnnaです。

アプリ横断で情報を集約するOnna

ホームページを見てみましょう。

Retain all the data you need and nothing you don’t.  Keep track of what matters. Retain, search, and export your information across all your applications from one centralized database.

必要な情報をすべて保管し、持つべきでないものは持たない。重要な者は追跡しましょう。御社の使っているアプリ横断で、データの保持、検索、エクスポートができるひとつのデータベースに集約します。

この短い文章の中にOnnaの特徴が凝縮されているので詳しく見ていきましょう。まずは前半。「持つべきでないものを持たない」というのは、個人情報を指します。ご存じのとおり、個人情報の保護の機運はかつてないほど高まっています。万が一にも流出しないようにしっかりと管理すべきです。そうすると、逆転の発想が出てきます。「そもそも、個人情報を持たなければ、管理する必要もないはず」と。なので、持つべき情報と持つべきでない情報をしっかり分ける機能が必要になるのです。

後半で注目べきキーワードは「アプリ横断で」。いまや企業は様々なクラウドサービスを使っています。「第2回 Gong.ioでZoom営業を効率的に」で紹介したCRMや、「第16回 Zoomと人事管理プラットフォームRipplingを連携」で紹介した人事情報など。 さらにはDropboxのようなストレージ系や、googleスイートのようなコミュニケーションまで。これらを横断して、「どこに、どんな情報が格納されているか」を把握する必要があり、ここにOnnaの存在意義があるのです。

これは、情報の活用という観点にとどまりません。米国では裁判でeディスカバリーと呼ばれる情報開示制度があり、普段から電子データをしっかりと管理しておく必要があります。Onnaはこれにぴったりであり、情報管理コンプライアンスの観点からも必要なサービスになっています。

Zoomミーティングのコンプライアンスも管理できる

では、OnnaとZoomの連携を見てみましょう。

Onna integrates with Zoom’s API and Zoom Business accounts to extract all related data from meetings including chats, user status, video feed (if recorded) and meeting transcripts (only available for Business accounts).

APIを通したZoom連携によって、OnnaはZoomミーティングの情報を収集します。たとえばチャットや参加者のステータス、動画(レコーディングされていたら)、文字おこし原稿(ビジネスアカウントのみ)

上述のコンプライアンスを考えると、Zoomミーティングでも違反がないかを監視しておくのは必要でしょう。ここに貢献するのがOnnaです。

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