「プレゼンのスライド作成が苦手で…」というひとに、懇切丁寧かつ具体的なアドバイスをしてくれる本が奥秋 和歌子著、プレゼン資料作成のツボとコツがゼッタイわかる本です。
プレゼン資料作成の「型」
具体的なアドバイスというのは、たとえば「どのフォントを使えばいいの?」という質問に対して、WindowsならばメイリオかMS Pゴシック、Macならばヒラギノ角ゴという風におすすめを示してくれるということです。
同様に、「どの文字サイズを使えばいいの?」という疑問に対しては、企画書・提案書ならばタイトル・メッセージには16pt以上、ボディは12pt以上、プロジェクター投影資料は24pt以上、というアドバイスです。
あるいは、「線の太さの標準化」のところでは、企画書・提案書は通常0.75pt、太線2.25pt、プロジェクター投影資料は通常1.5pt、太線3ptと提言されています。
実はプレゼンテーションって奥が深くて、厳密には「こういう場合はこう」、「でも状況が違うとこうなる…」とアドバイスは多岐にわたりがち。それを、あえて絞っているところが本書の魅力でしょう。
著者の奥秋先生は、外資系コンサルティング会社ボストンコンサルティンググループで7年半にわたって資料作成スペシャリストとして勤務されたそう。そこで何千枚、何万枚というスライドを作る中で、これこそがプレゼンの「勝ちパターン」だというのを見つけられたのでしょう。
ちなみに奥秋先生の夢は「日本のパワポ残業を撲滅」することだそうで、そのためかプレゼンを美しくつくるコツだけでなく、「早くつくるコツ」も掲載されているのが本書の魅力のふたつ目です。要所要所に記載されたキーボードショートカットキーは、目からうろこのはず。同様に、266pに記載されたメニューの改良やクイックアクセスツールバーの設定は、まさに「かゆいところに手が届く」感覚です。
ちなみに、ここまではわりと本書の中でも「小技」を紹介してきましたが、前半にはプレゼンテーションをどうやって作成するかの全体フレームワークも紹介されています。
プレゼン資料作成プロジェクトの7つのステップ
- プレゼンの目的・ゴールを確認する
- スケジュールを決める
- 大枠を書く
- 中身を書く
- PowerPointで作成する
- 練習する
- ブラッシュアップする
これに沿って資料を作成すれば、誰もが無理なくできそうです。
目次
- 「本当に使える」プレゼン資料作成の極意
- 「今すぐできる」成果につながるプレゼン資料作成のステップ
- 「実際に使える」プレゼン資料作成の秘伝
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