Zoomの連携サービスを紹介するシリーズ120回の区切りを迎えたのでまとめてみます。なお以前のまとめ記事は下記をご覧下さい。

プレゼンテーション・カレッジの事業領域に近いLMSを紹介

まずは、111回から120回の連載を下記改めて紹介します。

ここらへんから、主にラーニング・マネジメント・システム(LMS)を紹介していきます。これまでの連載でも触れてきたように、Zoomは生活のありとあらゆる側面に入り込んでいます。ただ、私たちプレゼンテーション・カレッジの本業は「教えること」。これに近い分野であるLMSをより詳しく取り上げていきたいと思います。

この観点で改めて感じたのが、LMSの種類の多さです。メジャーなBlackboard、Moodle以外にも、これほどまで多くのLMSが世の中に存在するとは驚きです。これはもはや「過当競争」と言ってもいいくらいではないでしょうか。そう考えると、プレゼンテーション・カレッジ代表の木田知廣がブログで紹介している記事、「世界のトップ大学80%を支配するBlackboardが売却?」、「BlackboardがMoodleを買収。そして戦場はビッグデータへ」の意味が分かります。業界内では過当競争の中、合従連衡が進み、やがては「生き残るLMS」と「死に絶えるLMS」に分かれていくのでしょう。そのような状況下、第113回で取り上げたCanvasの未来はどうなるのでしょうか?

LMS評価サイト

LMSの紹介を始めてもう一つ気づいたのは、「LMS評価サイト」の存在です。eLearningIndustryを代表として、ユーザーの評価を集めるというのは、業界の健全な発展に寄与するでしょう。LMSは、様々な意味で「高い買い物」です。本体の値段もさることながら、導入コストも大きなものです。また、習熟する手間は、教える側にも学ぶ側にも発生します。

Blackboarのようにユーザーインターフェースが悪く、「使いにくい」と感じると、膨大な数の人が時間効率としても精神衛生上もコストを支払うことになります。をましてや、それがオンライン授業のクオリティを決めるならば、「十分な学びを得ることが出来なかった」という見えざる、しかも大きなコストが発生します。加えて、契約の期間が10年というのもあるそうですから、慎重にならざるを得ません。そのようなとき、LMS評価サイトは心強い味方になるでしょう。

日本でも活用が期待されるLMS

とはいえ、LMS評価サイトが万全ということではありません。どうしても評価の数字(満足度)に目がいってしまい、その数字が一人歩きしてしまう懸念があります。LMSがこれだけ数多くあるのは、それなりに意味があって、教える対象、教える内容、教え方によって、微妙に異なるアプローチが必要だからでしょう。それを、「満足度」というひとつの指標だけで判断してしまうのは、自分たちが本当に必要なものを見逃してしまうリスクがあるのではないかと懸念します。幸い、eLearningIndustryは、識者によるコラムも充実していますから、それをチェックのうえ総合的な判断が求められるでしょう。

さて、翻って日本のマーケット。文部科学省によると、

米国の大学の約 93%は、何らかの LMS を導入しているが、日本の大学の学部研究科で LMS を導入しているものは 40.2%にとどまっており、かなり遅れを取っている。(ソースは「ICT活用教育の推進に関する調査研究」)

とのことで、「どのLMSか」の前に、「まずはLMSを導入」という状況のようです。上述の数字は2011年と古いものですから、さすがにいまはそのようなことはないと思いますが、リモート授業も広まっているいま、ますますLMSの活用が期待されます。