Zoomの連携サービスを紹介します。第119回はZoomとSchoology(スクーロジー)との連携です。なお、そもそも「Zoomの連携サービスって何?」という方は、第1回をご覧下さい

横展開しやすい学校教育

LMS (ラーニング・マネジメント・システム)と聞くと、ついつい大人向けのものを想定してしまします。実際、LMSの主たるソフト、BlackboardやMoodleなどは大学での利用を念頭において設計されています。一方で、コロナウィルスの影響で子供の教育にもリモート授業が採り入れられています。となれば、そこには必然的に子供の教育向けのLMSが必要になり、ここにSchoologyの存在意義があります。

まずはeLearningIndustryでSchoologyの評価を見てみましょう。そのメリットとしてあげられているのが、

A huge community of teachers and learners looking to sharing their experience and support one another in the usage of the platform.

プラットフォーム利用法に関して情報交換したい先生と学習者のコミュニティが充実している

とのこと。子供向けの教育というのは、全国、ひょっとしたら全世界でほぼ同じようなものでしょうから、利用者同士の情報交換のメリットは大きいでしょう。「ウチの学校ではこんなやり方でうまくいった」というのを横展開しやすいためですね。そう言えば、米国にはTEACHERS pay TEACHERSというサイトがあり、個々では先生が自信で作成した教材を販売することができます。これも、授業内容の類似性が高いという学校教育の特徴があってこそ成り立つものでしょう。

Schoologyに話を戻すと、満足度は94%とのことなので、上記のコメントとも相まって、きわめて有効な学校教育のLMSであると言えるでしょう。

学校教育のためのLMS、Schoology

では、ホームページを見てみましょう。他のLMSとの差別化として、下記3点の特徴が挙げられています。

  • Focused on K-12 schools just like yours (K-12教育に特化している)
  • Designed for district success (地域の成功に貢献するように設計されている)
  • Bring your community together (コミュニティを活性化する)

この中から2番目の「地域の成功」を掘り下げてみてみましょう。上述の「学校教育は同じ内容なので横展開しやすい」とやや矛盾しますが、Schoologyでは「その地域のニーズに応える」ことも意識されています。たとえば、TEA (Texas Education Agency: テキサス州教育委員会)がスポンサーするプログラムでは、テキサス州内にある400の学校が無料でSchoologyを使えるようになったとのこと。日本よりも地方自治外(州)の権限が大きいアメリカにおいては、このように予算上、法制上、地域のニーズというのがあるのでしょう。逆に言えば、日本のように文部科学省の一元管理がされている状況においては、Schoologyのような先生のコミュニティを大切にするLMSは、より大きな成果を生み出すのかもしれません。

Zoom連携ではセキュリティが肝心

では、ZoomとSchoologyの連携を見てみましょう。ちなみにこの連携サービスを提供しているのは、Soco Cloud。CanvasとZoomの連携、MoodleとZoomの連携なども提供しているので、もはやここら辺はお手の物という感じでしょう。

Streamline your virtual classroom, office hours, and study group workflows while realizing improved security between Zoom and your Schoology LMS.

ZoomとSchoology LMSを連携させることで、バーチャル教室と、オフィスアワー、勉強会のワークフローを整理します。セキュリティ強化にもつながります。

この、セキュリティ強化というところももう一つのポイントでしょう。もちろん、個人情報は全ての年代において大事ですが、こと子供が利用するという観点では、情報が流出してしまうと大きな被害になりかねないと懸念されます。

たとえば、日本ではGIGAスクール構想のもとに、小学校におけるICT教育を推し進めようという流れがあり、これはこれで意義あることでしょう。ただ、そのセキュリティには不安も保護者の立場としては感じてしまいます。たとえば、「ICT支援員・会員数が1か月で140%増」というニュースが先日ありました。これを聞くと、粗製濫造ではないですが、本当にその支援員はちゃんとした人なのか、という疑問がわいてしまいます。

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