Zoomの連携サービスを紹介するシリーズ、50回の区切りを迎えたのでまとめてみます。なお以前のまとめ記事は下記をご覧下さい。

生活のあらゆる側面に入り込むZoom 

まずは、連載の第41回から50回を紹介します。

これを見るだけで、Zoomが生活のありとあらゆる側面に取り入れられているのが分かります。ちなみに、第45回で紹介したaitemasuは日本発のサービス。日程調整を簡単にするという便利なサービスにZoomが連携するということで、ますます便利になっています。こうなるともう、Zoomは特別なものではなく日常に溶け込んでくる感じでしょう。

サムライ業を変革するzoom

上述のaitemasuが消費者向け(B2C)の一方で、業務(B2B)でも取り入れられているのが面白いところです。たとえば、第42回で紹介したWaiver Masterは入力フォームに連携するサービスです。典型的な使い方としては、Zoomミーティングに入る前にNDA (機密保持契約)を結ぶなどが想定されており、弁護士や税理士などのサムライ業で使うのにピッタリでしょう。顧問先を抱えるサムライ業は、これまで毎月1回の面談のような形でお客様との契約を維持してきましたが、ポストコロナの時代はそれが難しくなっています。お客様だって、「いや、いま来られても困る」というのが正直なところでしょう。

これをZoom化することで顧客満足につながりますし、移動の時間とコストを削減できるということは、サムライ業に大きな変革をもたらす可能性があります。というのは、顧問先を訪問するという制約があると、必然的に「商圏」が決まってきます。しかし、Zoomではこの制約がなくなります。極論すれば日本国内どころか世界中のどこにいても顧問先と契約できるわけです。となると、都心に事務所を構えていて固定費が高いサムライ業はかえって不利かもしれません。むしろ、安くてクオリティの高いサービスを提供できるところが地理的な制約に関係なく人気になりそうな予感がします。

バウンダリー(境界線)を超えるZoomの魅力

B2BでのZoom利用という観点では、第47回で紹介したStack Overflowも見逃せません。コンピュータ言語のプログラマー同士がネット上で教えあうというコミュニティで、これも「企業」という制約を超えた連携を意味します。極論すれば、表だっては競争相手のA社とB社のエンジニアが、裏ではStack Overflowで助け合っていると言うことも起こりえます。もちろん匿名ベースでしょうし、機密保持契約で守られた情報を提供しているわけではないと思いますが。

それでも経営者にしてみたら、「敵に塩を送るようなマネはやめろ」といいたくなります。しかし、エンジニアにとっては、「私はエンジニアというコミュニティ(職業)に所属しているのであって、企業というのは二次的な所属先である」という感覚があるのかもしれません。

そう言えば、三井住友銀行の管理するシステムのソースコード(プログラム)がエンジニアのコミュニティを通じて一般公開されていた、なんてニュースが最近ありました。これも、上述のエンジニアの感覚からすると、それほど異常なものではないのかもしれません。ましてや、そのエンジニアは三井住友銀行から孫請けで開発を受託していた企業に在席していたそうですが、その企業自体が消滅してしまっているとのこと。三井住友銀行は、委託先が消えてしまっている以上、法的措置も執りにくいのだそうです。これも、企業というのはかりそめの姿で、エンジニアコミュニティの方が永続性があるということの証拠なのかもしれません。

このような、境界線(バウンダリー)を超えていくのが、Zoomの魅力と言えるでしょう。

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