Zoomの連携サービスを紹介します。第130回はZoomとSAP SuccessFactor (エスエーピー サクセスファクター)との連携です。なお、そもそも「Zoomの連携サービスって何?」という方は、第1回をご覧下さい

業務を標準化するERP

ERPという言葉をご存じでしょうか?Enterprise Resource Planningの略称で、日本語にすると「統合基幹業務システム」。売上管理、在庫管理など企業の基幹となる業務を全てひとつのシステムに統合しようという発想です。

ERPが導入される前は、日本企業のシステム化と言えば「オフコン」、すなわちオフィスコンピュータと呼ばれる自社独自のシステムをゼロから作成することでした。ところが、このオフコンは不効率の固まりではないかという批判があったのです。ありとあらゆる企業で自社のシステムをゼロから作るのですから、そこにかかるお金も工数(人材)も重複感があるというのがひとつの論点。そして、より重要なことは、「そもそも業務自体を効率的にやっているのか?」という問題意識です。仮に仕事のやり方が非効率であったら、それをシステム化したとしても非効率のまま。むしろ、「業務のあるべき姿」を描いて、そこに現場のやり方をあわせていく方が効率的でしょう。それがERP導入の最大の理由です。

結果、何が起こるかというと、ERPのベンダー上位は世界的な企業が並んでいます。たとえば、お客様からのRFPに対して見積もりを出して、その後契約にこぎ着けて、商材を提供して請求書の発行…という流れは世界中で変わるものではありません。企業体力のある世界的企業が活躍できるゆえんです。今回紹介するSuccessFactorの提供元、独SAP社は世界ナンバーワンのシェアを誇っています。

人事分野ではなじまない?業務の標準化

一方で、日本においてはこのような「業務のやり方を世界標準に合わせる」というのになじまないところもあります。結果として、日本国内でのERPのシェアを見ると、国産メーカーの富士通がトップをとっています。そして、このような国ごとの違いというのは、人事分野においてはより大きな影響を与えるでしょう。

リモートワークが広まった昨今、「ジョブ型雇用」が取り沙汰されています。いわく、採用した人にどのような仕事を任せるかを考えるのではなく、仕事をカチッと決めて、それをできる人材を採用しようと。欧米においては主流の考え方ですが、一方で日本の雇用環境にはなじまないところもあります。となると、ラーニング・マネジメント・システムも、ひょっとしたら国産メーカーの方がなじむのかもしれません。

では、SuccessFactorの紹介に移ります。”Human Experience Management (HXM)“「人材経験管理」というキーワードで、

Put your people at the heart of your business with the SAP SuccessFactors HXM Suite – an evolved, cloud-based human resources management system (HRMS) with a focus on engagement and experiences.

SAPのSuccessFactors HXM Suiteで、人材を御社の中核に据えましょう。進化したクラウド人材マネジメントシステムで、社員のエンゲージメントと経験を高めることに注力しています。

とのこと。すなわち、ラーニング・マネジメント・システムだけでなく、統合的な人材管理システムという野心的な製品なのです。

ただ、一方でSuccessFactorの評価は、LMS業界では高くありません。eLearningIndustryサイトによると、満足度は62%。「第123回 ZoomとSkilljar連携で顧客教育を充実」で紹介した満足度100%、「第116回 ZoomとLearnUpon連携で受講者の満足度アップ」で紹介した満足度97%におよばないどころか、「第127回 ZoomとAbsorb LMS連携で研修のROIを高める」の70%も下回っています。

ひょっとしたら、ERPの基本となる考え方、「もっとも効率的な業務フローに現実をあわせる」というのが、人事分野にはなじまないのかもしれません。

Zoom連携でミーティングも簡単起動だが…

では、ZoomとSuccessFactorの連携を見てみましょう。

With CoSo’s Integration, you’ll be able to create and schedule secure virtual classrooms with a few simple clicks.

CoSo社のZoom統合アプリによって、SuccessFactorから数クリックでZoomミーティングの設定や開始ができます。

とのこと。ただ、もともとのプラットフォームが使いにくいのであれば、どれだけZoom対応したとしても使いにくさは変わらないのかもしれません。

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