社内プレゼンの資料作りで悩むことは多いですよね。なまじ相手が「その分野について知っている人」なだけ、曖昧な言い方は許されないし、かといって細かすぎる説明では聞いてもらえないし…。

そんな難しい社内プレゼンの資料作りのヒントになるのが前田先生の著書、「社内プレゼンの資料作成術-3分で一発OK」です。

前田先生は、もともと勤めていたソフトバンクで社長の孫さんに対してプレゼンしていたような方ですから、「エライ人(=決裁者)を相手にプレゼンしてイエスを引き出す」ためのヒント満載です。とくに、相手が忙しいことを考えると、いかにシンプルにまとめるかがポイントで、そのような思想が随所に現れています。典型的には、「13文字ルール」。プレゼンのタイトルやキーメッセージ(いちばん伝えたいこと)は、13文字以内でまとめよ、となります。

社内プレゼン資料では13文字を意識する

実例で見てみましょう。

売上未達を改善するための戦略提案について

はNGキーメッセージ。20文字なので、パッと読んだとき頭に入らないからです。むしろ、

売上未達改善のための戦略提案

と11字にした方が良い、となります。

同様に、

今月も加入者は約4000件の増加が見込まれる

ではなく

加入者4000件増

が良いということになります。その理由として筆者の前田先生は、

1字1字読んで、ようやく意味が分かるのではダメ。パッと見た瞬間に、意味がスッと頭に入ってくるようにしなければなりません。(中略)人間が一度に知覚できる文字数は、少ない人で9文字、多い人で13文字だと言われています。(64p)

ロジカルなプレゼンはキーワードでまとめない

一方で、これは実は「社内プレゼンだけ」に通用するテクニックであることには注意しなければなりません。なぜならば、キーワードでまとめた箇条書きは、読み手にとって様々な解釈があり得るため。たとえば先ほどの「加入者4000件増」。これを見た人は「加入者の4000件増がみこまれる」という理解をしてくれるとは限りません。

加入者が4000件も増えたんだ (それはすごい)

と考える人もいれば、

加入者が4000件増えなければならない (それは大変)

と読む人もいるでしょう。

つまり、前提条件や「常識」が異なる社外の人を聞き手としたプレゼンでは、13文字以内で頭にスッと入ってくることよりも、雑多な解釈を許さない主語・述語・目的語がある文章の方が優れています。まあ、ここら辺はロジカルシンキングの基本ですね。

同様に、104ページで解説されている、グラフの項目名を「単語に置き換える」と言う話も、社外のプレゼンでは使わない方がベターです。実際、105pの例で見ても、「共有施設」、「開放感」が何を指しているかは、上記の説明と同様、様々な解釈が成り立ちます。

プレゼン資料が独り歩きするリスク

社外向けのプレゼンではキーワードでまとめない方がよいのには、上述の他にもう一つ理由があります。それは、プレゼンを聞いていない人が資料だけを見ることがあるから。もちろん、それは社内プレゼンでも同じですが、社内の場合には「これってどういうことですか?」とあとで問い合わせが楽じゃないですか?

でも、社外の人にプレゼンした場合、プレゼンターの連絡先が分からない場合も多く、問い合わせをくれるとは限りません。そうすると、資料が独り歩きとでも言うか、読み手の勝手な解釈があたかもプレゼンターの意見であるかのごとく世間で流布してしまう可能性はあるのです。

社内プレゼンで絶対に押さえるべき3つのポイント

上記の「13文字ルール」はどちらかというと表現面(ドキュメンテーション)ですが、内容面(コンテンツ)のポイントでは、「社内プレゼンで絶対に押さえるべき『3つのポイント』」(45p)は、逆に社内プレゼンに絞ったことによって、「なるほど」と思えました。

    • 「本当に利益を生み出すのか?」という財務的視点
    • 「現場でうまく回るのか?」という実現可能性
    • 「会社の理念と合っているのか?」という経営理念との整合性

がそれで、たしかにこれらのポイントが「イエス」と言えるものでなければ、社内で合意をとれるはずもありません。とくに2番目の「現場でうまく回るのか」と言う視点は社内プレゼンでは不可欠で、これがないと「言ってることは分かるけど、ウチの部署に負担がかかるから反対」のような抵抗勢力を生み出しかねません。

仮にこれを社外向けの一般的なプレゼンに当てはめると、財務的視点を「儲かるからやりたい」すなわち「Will」、実現可能性を「できる」すなわち「Can」、そして経営理念を「やるべき」すなわち「Must」と読みかえて、自分のプレゼンを

    • Will
    • Can
    • Must

の3つのポイントでチェックすると有効、と言うことになります。

このように、表現面、内容面でヒントがありますので、プレゼンは社内向けが多いという方はチェックしてみてはいかがでしょうか?

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