「プレゼンテーションのビジュアルに工夫をしたい…」

そんな問題意識を持った時に手に取ってしまうかもしれないのがこちらの本。

櫻田 潤著、シンプル・ビジュアル・プレゼンテーション

著者の櫻田先生は2014年12月よりNewsPicks編集部にてインフォグラフィック・エディターとして編集・デザインを担当されているとのこと。

ちなみに、インフォグラフィックとは、

インフォメーション(情報)を伝えるためのグラフィック(視覚表現)

とのこと。

この制作スタイルを、一般のビジネス・パーソン向けにアレンジした「シンプル・ビジュアル・プレゼンテーション(SVP)」

というのが本書のテーマです。

が、正直難しいですね、これ。

よいインフォグラフィックを作ろうと思うとき、僕が意識しているのは「リズムとメロディ」です。

一枚にまとめるにしろ、いくつかのビジュアルを並べて表現するにせよ、よいインフォグラフィックには、一つのストーリーの流れがあり、その中で心地よいリズムの変化と美しいメロディがあります。(24p)

といわれても、シロートにはなかなか真似できるものではありません。

というか、そもそもがプレゼンの目的そのものが違うのかもしれません。

僕は、プレゼンの目的は、主張をただ伝えるだけではなくて、相手とコミュニケーションをとることにあると考えています。(80p)

とありますが、一般的なビジネスにおけるプレゼンテーションは、あまり「コミュニケーションをとる」ことを目的として行われていないので。ここは、逆に著者のデザイナーとしての独自の視点なのかもしれません。

なお、著者はSVPの基本として4コママンガによるストーリーテリングを提唱していますが、そのフレームワークは起承転結とのこと。すなわち、

  • 起:テーマに関する社会背景。俯瞰した視点から、テーマについて考えます。
  • 承:問題提起。プレゼンの聞き手に身近で具体的な問題を提起します。
  • 転:解決策提示。その問題に対する解決策を提示します。
  • 結:効果。解決策によってもたらされる効果を提示します。(92p)

とのこと。でも、一般的にはストーリーテリングのフレームワークとして起承転結は適していません。起承転結というのは、もともとが漢詩のフォーマットで、ポエムの世界では「転」の部分でがらっと展開が変わって面白味が出ます。たとえば有名なところでは、李白の「黄鶴樓にて孟浩然を送る」

故人西のかた 黄鶴樓を辞し
烟花三月 揚州に下る
孤帆の遠影 碧空に盡く
唯見る長江の 天際に流るるを

というものですが、転のところ(「孤帆の遠影…」)で風景ががらっと変わり、それが結句につながり余韻を残しています。

でも、ストーリーテリングに使おうとすると、この「転」は難しくなっちゃうんですよね。事実、本書においても転は解決策提示、となって、本来的な意味での転にはなっていませんしね。

【目次】

  1. なぜビジュアル、なぜシンプルなのか
  2. リズムとメロディ
  3. シンプル・ビジュアル・プレゼンテーション
  4. 櫻田潤 special interview
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