社内の会議のプレゼンで使える表現満載

英語のプレゼンテーションの本って、題材がマーケティングのものが多いですよね。「何かを題材に聞き手を説得する」というニュアンスを出すためだと思いますが、実際のところはプレゼンに取り組むテーマは様々なはず。そんなときに参考にしたいのが、清水孝先生などの著書、「68シーンで完全マスター!今すぐ使えるワンランク上の実践ビジネス英語: 営業・交渉・プレゼンから財務・IRまで」です。主著者の清水先生をはじめとして、他の共著者の方も早稲田大学の大学院会計研究科の教授ということで、会計をテーマにしたシチュエーションが多く載っています。章立てを紹介すると、

  • 第1章 CEOから与えられた任務~隠れたチャンピオンを目指して
  • 第2章 営業担当のビジネス基礎英語~ニューヨークへの出張
  • 第3章 IR担当のビジネス英語~日本企業をめぐる制度
  • 第4章 戦略担当のビジネス英語~日本的経営とその未来
  • 第5章 管理会計担当のビジネス英語~日本企業の原価計算と管理会計
  • 第6章 財務会計担当のビジネス英語~日本の会計基準とIFRS
  • 第7章 情報担当のビジネス英語~ITシステムと内部統制

となっており、「会計」や「財務」という単語てんこ盛りです。

プレゼンに限らず社内の会議は意外なほど管理会計に関するものが多いので、ここから表現や言い回しを学べば、会議でも役立ちそう。

結論→根拠という英語プレゼンの基本形

具体的に見てみましょう。第4章「戦略担当のビジネス英語」のシーン44では、ROIとROSを巡ってこんなやりとりが紹介されています。

A: What is your ROI?

B: Just a moment. By my culculation it’s 4.8%.  But we usualy don’t use ROI as a performance indicator

「イキナリ英語かよ」という方もご心配なく。実は本書は見開きで英文と和文が掲載されている形になっているので、上記の翻訳もパッと分かります。

A: 御社の資本利益率はどのくらいですか?

B: 少し待ってください。計算してみると、4.8%です。しかし、普段は当社ではROIを業績指標として使用していません。

そして、これが英語らしい表現ですが、まずは主張(上記では、「当社ではROIを業績指標として使用していません」)を述べた後、根拠が続くという典型的な英語によるプレゼンテーションのスタイルをとって会話は進みます。

A: How com you don’t use ROI as a KPI?

B: … one of the reasons for calculating ROI is to calculate the rate of return eraned on th ecapital invested in business, and to compare the result with the cost of capital.  But…(後略)

このようなシーンが全68個盛り込まれていますから、財務や会計のプレゼンに必要な用語や言い回しを見つけることができるでしょう。

コラムや用語集など丁寧な作り

さらに本書の魅力を高めているのは、ところどころに挟まれているコラムです。「初対面の名刺交換とお辞儀」(50p)という、日本人にとってはちょっと面食らう海外の習慣を解説してくれたり、「日本とアメリカのビジネス、どこが違うのか?」(86p)という、根本的な企業観に関わる違いを説明したり、これを読むだけでも欧米人にとっての「常識」が分かって英語によるプレゼンがしやすくなるでしょう。また、巻末についた「ワンランク上のビジネス英単語集」も本書の丁寧な作りの一環です。

全体として、「英語で話す「日本」Q&A」と近い作りになっていて、あちらがマクロ経済に関するもので、こちらの本がミクロの企業活動と考えると、内容も想像がつくのではないでしょうか。

あえて欠点を挙げるとすれば、用語が若干アカデミックで固いので、もう少しくだけた表現は知っておいてもいいと思います。たとえば上記のシーン44では、ROS (Return on Sales: 売上高利益率)と言う言葉が出てきますが、一般的にはprofit rateとかprofit marginとかいうのが使われるケースが多いと思います。いきなり「ROS」と言ったら、相手の欧米人の方がびっくりしそう。というか、ちょっとマニアックだけど、ROIの代わりの指標にROSを使うのは、ナンボ何でも無理があるような気がしますが…

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