プレゼンでの英語表現のサンプル多数

エンジニアなど技術系の方は、英語でプレゼンテーションをする機会もありますよね。学会での発表や外国企業との技術交流、中には海外でのピッチフェスティバルに参加する方もいるかもしれません。ただ、技術系だからといってとくにプレゼンテーションに違いがあるわけではないというのを再認識させてくれるのが、川合ゆみ子先生の著書、「技術系英語プレゼンテーション教本 ─スピーチ・スライド・発表スキル─」です。

川合先生はテクニカルライティングの講師もされているそうで、英語表現を詳しく解説してくれているので、英語に自信がない人にとってはありがたいものです。たとえば、34ページではプレゼンの際に投影するスライドの英文を、どのようにシンプルにするかが解説されています。元々は、

Procedures for Retrieving a File

If you want to retrieve a file you’ve stored on the hard disk, follow the steps below:

1. You must choose the File Open command.

2. You must enter the file’s name

3. If it is necesary for you to specify where the file is located, use the Directories list box.

4. You must click the OK button.

というのを、

How to Retrieve a File

To retrieve a file from the hard disk:

1. Choose the File Open Command.

2. Enter the file’s name.

3. Use the Directories list box to specify where the file is located, if necessary.

4. Click the OK button.

のようにシンプルにするという具合です。このように、英文をどう直すかが示されているのが本書の親切なポイントだと思いました。

プレゼンとスピーチは同じ?

一方で、プレゼンテーションとスピーチを同じものと位置づけているのは、ちょっと無理があるのではないかと思います。

著者の川合先生も引用しているとおり、英文事典のCollins CobuildではPresentationの定義が、

When someone gives a presentation, they give a formal talk, often in order to sell something or get support for a proposal.

となっています。一方でspeechの定義は、

A speech is a formal talk which someone gives to an audience.

であり、そこには「聞き手を説得するのがプレゼンテーション、話すことに重きを置くのがスピーチ」と明確な違いが見て取れます。もちろん、日本語で考えたコンセプトを英語に直すという観点では同じですし、その観点では上述したように本書にも発見があります。ただ、「そもそも」の部分でプレゼンテーションを「話すこと」と思ってしまうと、聞き手の期待に応えられないケースが多いと思うのですが…。

プレゼンテーションのメッセージは?

さらに、スライド作成においても誤解があるので、本書を読むときには注意を要します。たとえば、189pに解説されている、「シェアは円グラフ」というもの。実は人間の認知は、円グラフに描かれたシェアの違いを認識しにくいと言われており、本当に聞き手にシェアの認識をして欲しいならば円ではなくて棒グラフを使うべきです。

また、この189pを含む第3章で取り上げられているスライドは、単に情報が掲載されているだけであり「メッセージ」がありません。先ほど紹介したマーケットシェアも、「その結果、何なのか?」、もしくは「だから聞き手にとってどのような意味があるのか」が載るべきであり、極論すればメッセージがないスライドはプレゼンにおいては必要ないでしょう。

本書は、このような注意点を念頭において読むべきだと思いました。

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