Zoomの連携サービスを紹介します。第187回はZoomとHarmonizeEngage (ハーモナイズエンゲージ)との連携です。なお、そもそも「Zoomの連携サービスって何?」という方は、第1回をご覧下さい。
Zoomのブレークアウトセッションがうまくいかない原因
Zoomの魅力と言えば、なんと言ってもブレークアウトセッション(BOS)。オンライン上の小会議室でグループワークをできるのは、とても面白い体験です。ちなみに、学びという観点で言うと、一方通行のレクチャーだけでなくグループワークで他の参加者と話し合うことで、理解が深まります。ただ、中にはグループワークがうまくいかないときもあります。グループに分かれたものの、「…えーっと」、「…」、「…」という風に、会話がはずまないような状況です。
実はこの原因には何パターンかあります。代表的なものは、「そのグループワークで何をやるか」が不明確というもの。対面だったら、「ここで何をやるんでしたっけ?」と確認できますが、オンラインだと完全に分断されてしまうので、そういうわけにもいきません。また、参加者の方がグループワークになれていないという場合も、会話がはずまないことがよくあります。この場合、事前に、「こういう風にグループワークをやって下さい」と事細かに指示するとうまくいきます。たとえば、「まずはお互いにお名前を確認してください。五十音順で早い人から、自己紹介を1分でお願いします。」のようなやり方ですね。
そしてもう一つの、より重要な理由が、「エンゲージメントが足りない」というものです。会社の会議だったら、会社に対して帰属意識が薄くなっている。セミナーだったらそこで学ぶことの意義を見いだせない。このような心理状態では、グループワークと言っても「なんだかかったりーな-」と話す気になれないのは容易に想像がつきます。このような問題を解決してくれるかもしれないのが今回紹介するHarmonize Engageです。
エンゲージメントを高める学習プラットフォームHarmonize
まずはホームページを見てみましょう。
Harmonize elevates the online learning experience by providing world-class technology solutions that improve student retention and engagement.
Harmonizeは、世界最先端のテクノロジーで受講者の維持(リテンション)とエンゲージメントを高めることで、オンラインの学習経験を向上させます
とのこと。そして、テクノロジーもさることながら、実はHarmonizeを提供している会社は、オンライン教育でのエンゲージメントを高めるための様々なノウハウも持っています。それを、ダウンロード資料として見ることができますので、ご興味がある方はチェックしてみてはいかがでしょうか?全8項目からなるその方法論の一部を紹介すると下記となります。
- Encourage faculty to find ways for every student to participate. 教授陣にあらゆる生徒が参加できる機会を設けるように働きかけましょう
- Train your team to provide options for personalized learning. あなたのチームの練度を上げて、学習をパーソナライズ化する方法を見つけましょう
- Create an online community. オンラインでのコミュニティをつくりましょう
こう見ていくと、「何か特別の解決策」があるわけでなく、一見すると当たり前のことを全体としての整合性を持って継続的に実施することが重要のような気がします。つまりは、それをテクノロジーによってやりやすくしているというのがHarmonizeの位置づけなのでしょう。
Zoomミーティングの「その後」がエンゲージを高める
では、ZoomとHarmonize Engateの連携を見てみましょう。Harmonize Engageのプラットフォームからリマインダーを送ったり、ワンクリックでZoomミーティングに参加できるのは他のサービスと同じですが、実はHarmonizeには大きな特徴があります。それが、
once a Zoom meeting is over, users will have the option to import any recordings or transcripts that were generated for all participants to review at their leisure.
zoomミーティングが終了すると、参加者は録画と文字おこしを自分のHarmonizeアカウントにインポートすることができます(オプション)。これを後で見ることによって、学習効果が高まります。
というもの。オンライン講座と聞くと、どうしても「その最中」に何をやるかに意識が向かいがちです。しかし、実際のところは、「その後」つまり受講後の手厚いサポートも重要でしょう。これによって、よりエンゲージメントが高まるのは分かる気がします。
前ページ 第186回 ZoomとDreamaker.io連携で教育の均質化を読む |
次ページ 第188回 ZoomとNoodle連携でLMSのコストダウンを読む |
|
---|---|---|
Zoomセミナーのページに戻る |