Zoomの連携サービスを紹介します。第186回はZoomとDreamaker.io (ドリーメーカードットアイオー)との連携です。なお、そもそも「Zoomの連携サービスって何?」という方は、第1回をご覧下さい

意外と需要がある教育の均質化

「教育の個別化」というキーワードにピンとくる方は多いのではないでしょうか。最近の人工知能の発展で、「その人の教育ニーズ」をピンポイントで特定し、そこを改善するためのコンテンツを提供するという流れが実現できるようになりました。それが業界の用語では「アダプティブ・ラーニング」(Adaptive Learning)と呼ばれる方法論で、「第167回 ZoomとKloudLearn連携でゲームで次世代LMS」でも紹介しました。

一方、これと逆行するようですが、「教育の均質化」もある分野においては求められます。たとえば、塾業界。大手の塾で、同時並行でいくつものクラスを開催するとき、「あの先生は教え上手だけど、この先生の授業はつまらない」となると、様々な問題を引き起こします。生徒は、「同じお金を払っているんだから、教え上手な先生のクラスに入れて欲しい」と思うでしょう。しかし対面式の学習塾の場合一人の先生が見れる生徒数のキャパは決まっているので、全てのニーズに応えることはできません。

加えて、先生同士の関係性にもひびが入りそうです。ツマラナイ授業という評価の先生は教え上手な先生をマネしようと思うでしょうし、それに対して教え上手な先生は、「これは私のノウハウだから、他人にパクられたくない」と思ってしまうでしょう。やがてが教え上手な先生は、「この校舎は私に人気で持っているようなものだから、お金をもっとよこせ」なんて言い出しかねません。

このような事態にならないために、均質化。つまり、誰がやっても、同じ水準の講義を提供できることが重要になります。もし、「均質化」という言葉がピンとこなければ、「クオリティ・コントロール」と考えてみてください。工場で生産されるものもそうですが、不良品は除外しなければなりません。つまりは、授業の質に問題があるならば、対処しなければならないということです。これを実現できるのが今回紹介するDreamaker.ioです。

講義分析ツール、Dreamaker.io

では、ホームページを見てみましょう。”Next Generation Video Annotation & Review” (次世代の字幕とレビューの機能)というキャッチフレーズの元に、下記の説明がされています。

Dreamaker.io simplifies collaborative video annotation & performance review for students, teachers, examiners & supervisors.

Dreamaker.ioは、生徒の、先生の、管理者の、スーパーバイザーのためのシンプルなビデオ字幕とパフォーマンス・レビューのコラボレーションツールです

具体的な機能を見てみましょう。

  • Review & ReplayClick to replay and intuitively review key events using varied playback speeds and rapid scanning (レビュー&リプレイ:再生速度の変更と検索機能を使って、大事なポイントを直感的にリプレイできます)
  • Tag & AnalyzeTag key moments with customizable analysis Dashboards, Tags and Markers (タグ&分析:大事なポイントにタグをつけて、ダッシュボードから分析できます)

たとえば、上述の学習塾での利用シーンを考えてみましょう。保護者や生徒から、「あの先生の授業、つまんなーい」との言葉が聞かれたとします。と言って、管理者がその先生のクラスを直接見学するのは難しいでしょう。手間暇の面からもそうですし、生徒に対して「あの先生はクオリティチェックが必要だ」と宣伝しているようなものですから。

そのようなときは、録画をしておいて、Dreamaker.ioでチェックです。だいたい、授業が始まってから○分ぐらいで説明が行き詰まっていた、あるいは、○○という用語の説明がうまくいかなかった、というのをピンポイントで再生でき、改善することができます。かくして、教育の均等化につながるのです。

Zoom録画も簡単に分析

では、zoomとDreamaker.ioの連携を見てみましょう。

This Zoom integration allows you to import Zoom cloud recordings into your Dreamaker workspace. All audio and video formats of your Zoom meeting recordings can be imported, and once the import is complete they can be analyzed like any other uploaded media project in Dreamaker.

この連携アプリにより、ZoomのクラウドレコーディングをDreamakerにインポートすることができます。Zoom録画の、あらゆるビデオと音声のフォーマットをインポートすることができます。インポート後は、他のDreamakerのコンテンツと同様に、分析することができます。

とのこと。今の時代、学習塾だってZoomを採り入れています。その録画を簡単にDreamakerにインポートできるとしたら、それこそ教育の均質化がいっそう進みそうです。

ScreenClip

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