Zoomの連携サービスを紹介します。第153回はZoomとCoursera (コーセラ)との連携です。なお、そもそも「Zoomの連携サービスって何?」という方は、第1回をご覧下さい。
知識を広めるMoocs
Moocs (ムークス)をご存じでしょうか?Massive Open Online Courses (マッシブ・オープン・オンライン・コース)の略で、大人数で受講可能なオンラインコースを指します。始まったのは、2000年代初頭の米国は東海岸。MIT (massachusetts institute of technology: マサチューセッツ工科大学)などの教授が考えたのです。
大学の授業をオンライン化して、一般向けに公開(オープンに)したらいいのでは?
と。アイデア自体はそれより昔からあったのですが、インターネットが本格的に普及したとうじは動画という技術を活用して実現できました。とくに、MITの持つIT技術に関する講座は、世の中の多くの人に役立つはずだ、という期待がありました。その後、学位が取れると言うオプションも生まれ、米国においては大人向け教育のひとつの潮流をなすに至りました。
と、ここまで聞くと「要するに、動画セミナーね」と思われるかもしれませんが、Moocsの背後にはもう少し深い思想的背景があります。ご存じのとおり、米国東海岸には名門大学が数多く存在し、「アイビーリーグ」と呼ばれています。そこでは、正しい知識を広めて世の中をよくする義務がある、との思想があり、それが典型的に表れたのが”copyleft (コピーレフト)”の文化です。通常は、”copyright (コピーライト)”、つまり複製する権利は著作権を持っている人だけ、と言うのを逆転し、「誰もが使っていいですよ」を表したものです。
したがって、この思想を体現したMoocsも、無料で誰もが学べる、そしてお互いに教えあうというソーシャル・ラーニングの考え方を採り入れたものでした。
Moocs提供プラットフォーム
具体的に、Moocsを提供しているプラットフォームを紹介しましょう。米国において主たるものは下記になります。
- Coursera (コーセラ)
- Udacity (ユーダシティ)
- edX (エデッックス)
- Udemy (ユーデミー)
この中でUdemyは、日本にも本格的に進出しています。子供向け学習教材の大手ベネッセと提携したこともあり、一番知名度があるでしょう。
一方で、「日本の大学発」のMoocsも一定の認知度を得ています。とくにgaccoのユーザー数は50万人を超えているとも言われており、大学発のコンテンツの人気ぶりがうかがえます。
今回紹介するZoom連携サービスは、この中のCourseraになります。
Zoomでライブ授業を実現
では、Zoomとcourseraの連携サービスを見てみましょう。
Teach live with Zoom meetings and recordings embedded directly within the Coursera learning experience. Please note: This app is only usable by Coursera authors. Please contact us if you have any questions about teaching on Coursera.
Courseraの学習体験から、zoomミーティングでライブ授業ができ、録画も埋め込めます。注意点:この連携アプリはCourseraでコンテンツを配信している人のみが使えます。Courseraで教えるにはどうしたらいいか知りたい方は、お問い合わせください。
上述のとおり、Moocsは動画というテクノロジーがあってこそ成り立つものですが、その多くは録画です。そこに加えて、Zoomによるライブ(リアルタイム)の授業があると、ますますMoocsの価値が上がりそうです。
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