Zoomの連携サービスを紹介します。第153回はZoomとMentornity (メンターニティ)との連携です。なお、そもそも「Zoomの連携サービスって何?」という方は、第1回をご覧下さい。
起業家にも必要なメンター
起業家にもメンターが必要という話、聞いたことがあるでしょうか。通常、メンターというのは企業内で先輩と後輩を組み合わせるなどのパターンが多いものです。その祖気に特徴を知る人、かつ直属の上司という利害関係がない人からアドバイスをもらうことで、メンティー(メンタリングを受ける人)の成長と成果アップを狙うというのがその理論的背景です。
一方の起業家。自身でビジネスを起こすと、上司や先輩はいなくなるので、メンタリングが受けにくいものです。しかし、起業家こそ、将来どのような方向に進むか迷うことが多く、メンタリングが必要なはずです。米国では、このようなニーズに応えるべく、先輩起業家などがメンタリングを提供しているという実情があります。一度企業を経験した人ならではのアドバイスは有益なものでしょう。
有名なところでは、故スティーブ・ジョブズ氏も、メンターに指示していたという話があります。それが、「ザ・コーチ」として知られるビル・キャンベル氏。同氏の活躍を描いた書籍、「1兆ドルコーチ シリコンバレーのレジェンド ビル・キャンベルの成功の教え」にそのメンタリングの様子がつまびらかにされています。
このような、起業家へのメンタリングのプラットフォームとなっているのが今回紹介するMentornityです。
総合メンタリングプラットフォームMentornity
ホームページを見てみましょう。
Entrepreneurship Mentoring Software. Make A Better Interaction Between Mentors And Startups
起業家向けメンタリングのソフト。メンターとスタートアップの間の交流をよりよいものに
と言うキャッチコピーの下、下記の説明がされています。
Designed with top incubators, accelerators, entrepreneur centers, angel networks, startup programs and co-working spaces.
国内トップのインキュベーター、アクセラレーター、起業センター、エンジェルネットワーク、起業講座、コワーキングスペースといっしょに設計されました
どれもが起業家を取り巻く組織ですが、いくつか補足をしましょう。インキュベーターとは「孵化器」を意味する言葉で、起業の題材を抱えているひとにビジネス化のサポートをすると言う立ち位置です。一方の、アクセラレーターは、アクセル、つまり加速をするので、有望そうな起業家を支援してビジネスを大きくしようというものです。エンジェルは起業の早い段階で投資をする人たちを指します。
ここまで、Mentornityを起業家向けメンタリングのソフトとして紹介してきましたが、実はその機能は幅広く、起業家以外のメンタリングでも使われています。彼らの言葉では起業家向けメンタリングは”Entrepreneurship Mentoring”と言っていますが、それ以外にも、
- Employee Mentoring (従業員メンタリング)
- Alumni & Student Mentoring (卒業生と学生メンタリング)
- Community Mentoring (コミュニティメンタリング)
メンターが使うサービスは、当連載でも「第35回 ZoomとChronusを連携してメンター活用」などで紹介してきましたが、Mentornityはその汎用性に特徴がありと言っていいでしょう。
Zoomミーティングとともにメンタリングの構成を整理できる
では、ZoomとMentronityの連携を見てみましょう。
Mentornity helps mentors, mentees, coaches and clients to schedule online meetings with Zoom easily.
Mentornityは、メンター、メンティー、コーチ、クライアントがZoomミーティングを簡単に管理できる手助けをします
ということで、Mentornityのプラットフォームから簡単にZoomミーティングが設定できるとのこと。加えて、
Mentoring program admins design a program structure with session topics, forms, surveys, and resources.
メンタリングプログラム管理機能によって、メンタリングの構成、セッションのトピック、記入フォーム、サーベイなども整理できます。
つまり、漠然としたメンタリングではなく、「構成」、つまり何をどういうダンドリでやるとメンタリングがもっとも効果を発揮するのかまでが組み込まれているのが、Mentornityのメリットでしょう。たとえば、メンティーから事前にトピックを提案してもらう、あるいはそれに関する調査(サーベイ)もやっておく、などの利用方法が目に浮かびます。
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