Zoomの連携サービスを紹介します。第127回はZoomとAbsorb LMS (アブソーブ)との連携です。なお、そもそも「Zoomの連携サービスって何?」という方は、第1回をご覧下さい

研修はコストではなく投資

この連載で紹介してきた様々なラーニング・マネジメント・システム (LMS)。実はけっこうお高くて、企業がそれだけのコストを払うのは理由があります。それは、従業員のやる気と能力が会社の業績に直結する、という考え方です。

昔の産業、それこそチャーリー・チャップリンが映画「モダンタイムス」で描いた工場ならば、そんなことはありませんでした。「決められたことを、決められたとおりに、決められた時間内にやる」仕事ならば、従業員の能力もやる気も工場の、ひいては会社の業績には関係ありません。

しかし、いまをときめくIT産業やサービス業では、従業員の出したアイデアが大きなビジネスにつながると言うことはよくあります。また、「エンゲージメント」と読んでいますが、従業員の会社への貢献意識も大きな違いを生む要因となっています。そして、これを高めるためにも研修は重要。従って、研修そのものや、研修を管理するLMSに会社はお金をつぎ込むことになります。つまりは、研修費用はコストではなくて投資、というのが欧米企業のスタンスです。

ちなみに、管理職層へのマネジメント研修を例にとると、費用体高を測定するROIは55%から1996%と大きなばらつきがあります(中原著、駆け出しマネジャーの成長論)。すなわち、しっかりと計測して軌道修正する必要があり、この観点で魅力を感じるのがAsorb LMSです。

数値分析に強みを持つLMS

ホームページを見てみましょう。

Make learning and development your competitive advantage by integrating an award-winning learning management system that empowers organizations across the globe to thrive.

研修と能力開発を御社の競争優位の源泉にしましょう。受賞歴もあるLMSが、組織を活性化し世界に羽ばたく力を与えます

というキャッチフレーズの下に、下記のサービスを提供しています。

  • Smart Administration (簡単な管理)
  • Learner Engagement (学習者のエンゲージメントを高める)
  • eCommerce (eコマース)
  • Reporting & Analytics (レポートと数値解析)
  • Learner Experience (学習者の体験重視)
  • Observation Checklists (チェックリストによる観測)
  • Machine Learning (人工知能による機械学習)
  • Mobile App (モバイルアプリ)
  • Performance (パフォーマンス測定)
  • Content Libraries (コンテンツのライブラリー)
  • Integrations (統合)
  • E-Signatures (電子署名)

この中から、Reporting & Analyticsを見てみましょう。

Absorb LMS reporting and analytics dashboards empower you with key insights that make sense for your specific business. Prove ROI for your learning program, track learner progress and take on the future with valuable data at your fingertips.

Absorb LMSのレポート&数値解析機能で、御社の業界特性を踏まえたインサイトがダッシュボードに示されます。御社の学習プログラムのROIを証明します。クリック1つで学習履歴の管理と将来性の測定ができます

補足をすると、ROIは”Return On Investment”を指し、まさに投資対効果がどのくらい上がったかを測定する指標です。

業界の評価は高くはないか

ここまで、Abosrb LMSの魅力を紹介してきました。一方で、LMSの評価サイト、eLearningIndustryによると、Absorbの評価は必ずしも高くないようです。トータル満足度が70%ですから、「第123回 ZoomとSkilljar連携で顧客教育を充実」で紹介した満足度100%、「第116回 ZoomとLearnUpon連携で受講者の満足度アップ」で紹介した満足度97%と比べると見劣りをしてしまいます。

どこに満足がいかないかというコメントも、

Also, tech support is often unable to solve a problem, or their solution is that we try upgrading to their business analytics service for an additional fee, with no guarantee that will solve our needs either.

テクニカルサポートはしばしば問題を解決してくれない。追加料金による数値解析サービスのアップグレードも、われわれのニーズを満足させるものではない

という厳しい言葉が並んでいます。

ScreenClip

前ページ
第126回 ZoomとManageBac連携で国際バカロレアもZoom化を読む
次ページ
第128回 ZoomとEVI Garten連携で中華LMSを読む
 
  Zoom講習のページに戻る  

お問い合わせ下さい

シンメトリー・ジャパン問合せ窓口

記事には書ききれなかった様々なノウハウをご紹介することができます。ご要望・ご質問をお問い合わせページよりご連絡ください。