学校教育の現場でもZoomを使ってオンライン授業をしようという試みが広がっているそうです。その実体験にもとづいた渋沢一加先生のご著書「3時間でZoomを使ってオンライン授業ができるようになる本」の内容をレポートします。
学校の先生も気になるZoomによる授業
コロナウィルスの影響による緊急事態宣言が出た2020年5月、学校の先生が集まってオンライン授業の可能性について話すイベントが開催されたそうです。以下、東洋経済オンラインの記事を抜粋しました。
さまざまな問題意識のもと、有志の教員たちが立ち上がった。5月27日夜に教員らが開催したオンラインセミナー「6月からの授業のあり方~Withコロナ時代の対話的な学習とはとは~」。登壇したのは20数名、休校中にオンラインで朝の会を実践し続けるなどで奔走してきた、公立小学校の教員らだ。約2時間半に及ぶこのセミナーを聞こうと、全国から2000人近い参加申し込みが殺到した。
本書の著者、渋沢一加先生ご自身がこのイベントに参加されていたのかどうかは明らかにされていませんが、学校教育の現場でも前向きに取り組まれている先生方がいるのは頭が下がります。これを承けて、著者の渋沢一加先生は、facebookグループを立ち上げられたとのこと。「オンライン授業の情報交換グループ」というものです。この分野にご興味がある方は、参加してはいかがでしょうか。
Zoom授業では資料にこだわる
実際に著者の渋沢一加先生が行われた授業のレポートも興味深いものです。
オンライン授業をおこなって大切だなと感じたことは、まずは、オンラインで行っているということを教員側が意識するということです。
とのことで、教える側の意識の変革を促しています。そして、具体的な方法論としては、
授業はパワーポイントの資料を使いましたが、学生たちに配付する資料にはポイントとなる点などを穴埋め方式にして、その部分は授業中に埋めてもらうという方法を取っています。
とのことで、これによって学生の注意力が散漫になることを防止できるのです。この手法、Zoom授業に限らず普通の授業でも、あるいは社会人向けのセミナーや研修でも使えます。ただ、Zoom授業で行うとなるとご苦労もあったようで、資料はパワーポイント形式とpdf形式の双方をご準備されていたとのこと。学生の評価も半々で、
PPT(パワーポイント)のほうが埋めながらできていいという学生もいた一方で、おそらくバージョンの関係だと思うのですが、PPT(パワーポイント)は文字がダブってしまうので、PDFのほうがいいという学生もいました。
とのことです。
Zoomでの質疑応答
Zoomでの授業となると、質疑応答をどのように採り入れたのかも気になるところです。一方通行で授業を行っているだけでは録画を配信しているのと変わらず、Zoomの持つ双方向性を活かせません。また、授業に出ている学生の理解度も低いままにとどまってしまう懸念もあります。著者の渋沢一加先生は、
私の場合は、授業そのものに支障がある場合、例えば、音声が聞こえない、画面が見えない場合には、手を挙げるか、チャットで書き込んでもらうようにし、それ以外のときの質問については、質問の時間をとって、そのときに記入、または発言してもらうようにしていました。
という対応をされたそうです。ただ、チャットでの質問受け付けは、数が多くなると煩雑になるのではないかと思いました。とくに著者の渋沢一加先生が担当された授業は70人ほどの学生が参加とのことですので、あまりにも質問が多いと収集がつかない懸念があります。利用されたZoomのプランがミーティングではなくウェビナーだったので難しかったのかもしれませんが、質疑応答に関しては、Zoomの手を挙げる機能で手を挙げてもらい、講師からの指名により発言してもらうという形で統一した方が安定した運営ができるのではないかと思いました。
画像はアマゾンさんからお借りしました。
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