プレゼンテーションはビジネスパーソンにとってハードルが高い分野ですが、エンジニアの方はなおさらそう感じるようです。そんな方が手にとってしまうかもしれないのが、渡邉 秀美先生のご著書、「客先に連れ出されてしまったエンジニアのためのプレゼン力向上講座」です。
プレゼンで棒読みにならないためのエモーショナル音読
著者の渡邉 秀美先生は、ご自身でプレゼンをするときには原稿を用意してそれを読むというスタイルだそうです。これは、プレゼンテーションが「自分中心」になってしまうため、一般的にはお勧めしません。ただ、現実問題として、書名にあるような「客先に連れ出されてしまったエンジニア」の方は、そのようなスタイルになってしまうこともあるのでしょう。
その際、原稿を用意したときに陥りがちな「棒読み口調」を避けるための方法論が面白かったので紹介します。それが、エモーショナル音読というもの。これはプロのナレーターの方から教えてもらった手法とのことで、
原稿を読む際、漢字の読みを書き込み、不自然なところで切らないように、息継ぎの場所に斜め線を入れています。さらに、読みに強弱を入れるために、強調したい部分に○印をつけます。
というものです。
サンプルが本書138ページから掲載されており、それを使った3ステップの練習方法も紹介されています。そして、その練習の際に大事なのが、録音すること。さらに録音を聞いて10点満点で点数をつけることで、自身の成長度合いを可視化するという方法を提唱されています。
プレゼンテーション構成の4ステップ
プレゼンテーションの内容面に関しては、お客様に提供する価値を中心に構成することを提唱されています。これを整理するのが、
- 機能
- お客様にとって良いこと
- 上述の2が起こる理由
- 実現後のお客様の一言
という4ステップ。たとえば、データセンターで自動バックアップをとる機能を提案する際には、下記のようになります。
- バックアップが自動
- 夜9時までの立ち会いがなくなる
- 顧客データが社内サーバーではなくデータセンターでの一括管理になるため
- 子供と一緒にお風呂に入れる日が増えるな~
というものです(さらに詳しい記載が、本書178pにあります)。
一方で、この整理の仕方はまだ「自分中心」と感じてしまいます。本当に顧客に響くプレゼンテーションを構成するのだったら、お客様の抱える問題を中心に考え、それを中心に構成した方がよりよいのではないでしょうか。その際には、高杉尚孝先生が提唱されている、TH法による3つの問題の定義が有効であることはいうまでもありません。
プレゼンでは顧客目線に切り替える
エンジニア特有のプレゼンテーションの悩みとして、「どうしてもシステム目線になってしまいがち」というものへの対処法も本書では紹介されています。そもそもとして、エンジニア目線は、
- ハードソフトの構成やスペック
- 最新機能
などが重要視されがちです。それを、お客様目線だと、
- これを使えば本当に仕事が楽になるか
- 自分たちが使いこなせるか
- これまでと何が変わるか
などが重要になります。これを切り替えるためにお勧めなのが、
社内にいらっしゃるアルバイトや派遣会社の事務職の方、(中略)必ず部外者に一度聞いてもらい、分からない語句や意味不明なところを教えてもらう
という手法です。確かにこれならば、視点の切り替えも出来そうです。
ただ、どうせならば、お客様と近い立場の人に事前に聞いた方が効果的ではないかと思いました。他社へのプレゼンで、聞き手がその会社のアルバイトや派遣社員であることはまず持ってないでしょう。であれば、あいてのキーパーソンに近い年齢・職種の方を確保しておいて、意味不明なところを教えてもらえるようになると、さらに効果的でしょう。
画像はアマゾンさんからお借りしました。
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