「外国人のプレゼンを見て、そのいいところを自信のプレゼンテーションに取り入れたい…」。そんな風に思う方が思わず手に取ってしまうかもしれないのが関谷英里子先生のご著書、「同時通訳者が世界のビジネスエリートに学んだ 結果が出るプレゼンの教科書」です。
カリスマ翻訳者が見たカリスマプレゼンターの技
関谷先生は英語の同時通訳者で、フェイスブック創業者のマーク・ザッカーバーグ氏、ダライラマ14世、マインドマップ提唱者のトニー・ブザン氏、カリスマ・コーチのアンソニー・ロビンズ氏、元米副大統領アル・ゴア氏など、名前を挙げるだけでそうそうたるメンバーの通訳を務めた方。それ以外にも、世の中にそれほど知られてない、でもプレゼン上手な方と一緒に仕事をしているので、そのエッセンスが本書に詰め込まれていると見ました。
逆に、「そんな、カリスマ・コーチみたいな人のプレゼンの技を真似できるの?」という方もご心配なく。関谷先生はそこは二段階に分けて、基本はこう、上級者になったらこう、と説明してくれていますので。たとえば、ジェスチャー(ボディーランゲージ)に関しては、基本は2つの要素にまとめられています。
- 資料を使うときは胸の前
- 相手に質問をしたり、動きを入れたりしたら、間をおく
そして、上級者になったらということで、
プレゼンテーションの壇上で、過去の話をするときにはステージ向かって左側に立ち、、将来の話をするときにはステージの右側に立つ、という工夫をしている人もいます。同じく、楽しい話をするときには左側、残念な話をするときには右側、というように応用もできます。
と解説しています。
カリスマもプレゼンでは聞き手のことを考える
本書で面白いと思ったのは、「聞き手が求めている話の作り方」というトピックがあるところ。というのは、冒頭で紹介したとおり、本書の著者は世界的に有名な人と仕事をしています。そんな人たちは、自分の思うことを話していると思ったのですが、そうではなく、そのクラスの人ですら聞き手のことを考えているのが発見です。
そして、そのための方法論として、
- 聞き手が求めていることを把握しておく
- 聞き手が求めていることは、本人に聞くこともできる
- ビッグピクチャーを頭に思い描いて
という三つのこつが紹介されています。
具体的な行動レベルのアドバイスが欲しいところ
一方で、本書は、「言っていることは分かるけれど、どうやってやったらいいか分からない」というところも散見されます。典型的には「アル・ゴア氏の目力」というパート(52p)。ここで取り上げられているのは元米副大統領のアル・ゴア氏で、彼のレセプションパーティーなどの振る舞いです。
背が高く大柄なゴア氏は、相手を威圧しすぎないように目線を合わせながら、まっすぐに相手の目を見ます。このような姿勢で対話をしたら、誰もが吸い込まれてしまいそうになるのでは、と傍らにいて感じたのを覚えています。多くの人を惹きつける秘訣の一つは、強く温かいアイコンタクトをとることなのかもしれない、と感じます。
というのは、言ってることは分かります。ただ、どうやって「まっすぐに相手の目を見」るのか、具体的なノウハウがないと、どうやってやったらいいか分かりません。同様に、「強く温かいアイコンタクトをとること」も、具体的な行動レベルに落とし込まれないと、ノウハウ本としては物足りないと感じてしまいました。
画像はアマゾンさんからお借りしました。
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