社会に変革を引きおこす起爆剤となる「ファシリテーター」を解説しているのがこちらの本です。
野村 恭彦著、イノベーション・ファシリテーター― 3カ月で社会を変えるための思想と実践
タイトルにもなっている「イノベーション・ファシリテーター」とは著者いわく、「新しいアイデアやプロダクトを新しい方法で世の中に提供して、社会に変革を起こそうとする人々を支援し、うまく事が運ぶように舵取りする人」とのこと。この人が中心となり、「フューチャーセッション」と呼ばれる様々なステークホルダーを巻き込んだ会合を行うことにより社会変革が実現されるとのことです。
以下、ポイントを。
- 質問するときのポイントは、相手が困っていることに心から共感することです。
- 課題の構造を縦から横に
- 手あげルールでアイスブレーク
- フィッシュボウル
円を描くようにイスを配置して、空間の真ん中に5脚ほどの椅子で小さな円を作ったら、その周りに20脚ほど椅子を配置して大きな円を作ります。これで二重の椅子の輪ができあがりました。内側の円で行われている対話を、外側で円をつくっている人も含めて、全員が共有します。そして、フィッシュボウルで対話をおこなうときは、常に内側の円の椅子をひとつだけ空けた状態になっています。この空いている椅子は、外側の円に座っている人なら、誰でも一歩踏み出してそこに座って、対話に参加することができるように老いています。外側にいる人が、空いている内側の椅子に座ると、内側の椅子に座っていた誰か一人が外側の円に移動します。このフィッシュボウルがメッセージしている追体験はなんでしょうか。フィッシュボウルでは、誰もが中心の輪の中に入って発言することを可能にすることにより、「あなたは、いつでもこの社会的な課題に対して、リーダーとなって発言することができる」ということを示しています。 - 中盤でとくに大事なのは、「参加者自身に決めてもらう」ということです。…そこでイノベーション・ファシリテーターは、ここからの決断を参加者にゆだねながら、参加者の主体性を高めていきます。
- フューチャーセッションにおいて、本音トークはそれほど大切ではありません。普段からあまり人に言わない”欲望から来る本音”は、話していただかなくてかまいません。フューチャーセッションの場では、そういう本音にではなく、わたしたちが社会を生きていくうえでの、”本当に大切なこと”に重要なエッセンスがあると考えています。
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