英語プレゼンの体系的な説明
英語の日本語では「プレゼンテーション」の意味が違うってご存じでしょうか?実は英語のPresentationの方がよりインフォーマル(非公式)なニュアンスがあるそうです。ということは、英語では、むしろ常にプレゼンテーション。日常のありとあらゆる場で意識するとよいとのこと。
そんな解説から始まるのが、米山 明日香先生の著書、「[CD付]成功する英語プレゼン」です。ちなみに、Amazonでのコメントの中には「支離滅裂」というのがありましたが、そういう感じではないですね。むしろ、他の本よりも体系だっている印象ですから、人の評価というのは様々です。というか、本書に書かれた「王道的」なアプローチは一読の価値はあります。あえて言えば、対話形式になっているのが若干ポイントをつかみにくいので、それは読者の好みが分かれるところかとは思いますが。
さて、その「体系だって」いる最たるところが、111pに掲載されたプレゼンテーションの構成の全体像を示した図です。
- イントロダクション (introduction)
- 挨拶
- 簡単な自己紹介
- 謝辞 (フォーマルな場合)
- 主題
- メリット
- 概略
- 移行 (本題へのtransition)
- ボディ (body)
- 主要項目1
- 主要項目2
- 主要項目3
- コンクルージョン (conclusion)
- 主要項目1のまとめ・強調
- 主要項目2のまとめ・強調
- 主要項目3のまとめ・強調
- 挨拶
まさに英語プレゼンの「鉄板」とでも言うべき構成でしょう。本書は、この構成に沿って、それぞれのパートをどのように構築するかが説明されています。
英語プレゼン特有のヒント
さらに本書の魅力は、上述のような構成だけでなく、プレゼンの全体に目を配っているところ。曰く、英語プレゼンにおいて伝える技術の3要素として、
- 内容の構成技術
- 話し方の技術
- 視覚的伝達技術
をバランスよくとることが提唱されています。
その中でも、著者の米山先生の専門領域である「話し方の技術」には多くのページが割かれていて、英語の発音、文法、言い回しなど、参考になる事例が盛りだくさんです。たとえば、「メッセージを的確に伝える技術」として、
- 子音連結
- 機能語と内容語
- リズム
- 弱形/強形
- 速さ
- 流暢さ
- 強調
- 区切り
があげられています。
これはいわば、「メリハリの4原則」にあたるものですが、その中でも英語プレゼン特有のものがあり、たとえば機能語。これは、
- canやwillなどの助動詞
- a/anやtheなどの冠詞
- onやinなどの前置詞
を指し、これらは「弱形」すなわち強勢を置かずに発音すべきだとのこと。ここら辺は実際にCDを聞きながら身につけると、本格的な英語プレゼンに使えそうです。
英語プレゼンに関する小ネタが満載
さらに本書の魅力は、プレゼンに関する「小ネタ」が満載なところ。たとえば、「プレゼンの際に役立つグッズ」では、「ペンと紙」が提唱されていて、これは「なるほど」です。日本語のプレゼンテーションでも、質疑応答で相手の言っていることをメモをとるのは、有効な手法に思えます。あるいは、一口に「アイコンタクト」と言っても、
- オーバービューアイコンタクト (会場をZ字型に聴衆全体を見渡す)
- ピンポイント・アイコンタクト (誰か特定の人にピンポイントでアイコンタクトする)
に分かれるとあり、納得感があります。
この内容でCDもついてこの値段(2,200円)は、十分元が取れると思いますので、英語プレゼンに臨む人はぜひチェックしてみてください。
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画像はアマゾンさんからお借りしました。
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