ファシリテーションに限らず、この手の外来語のビジネス手法を知りたい人の中には、「これさえ知れば、すべてうまく行く」というあこがれを抱いている人が少なからずいます。「コーチング」なんて典型的で、一世を風靡したわりにはほんとうに使えるコーチングのスキルを身につけている人はわずかなような気がして、憧れ目的で学びはじめた人は途中で挫折してしまったのではないでしょうか。
そんなニーズに警鐘を鳴らすのが本書。著者の加藤先生が「はじめに」の中で言うとおり、「魔法の秘薬を手に入れようとする前に、やるべきことがまだある」というスタンスが貫かれています。逆に言えば、本書に書かれていることを着実ながらも、頑張って身につければ間違いなく会議の生産性が上がるでしょう。
加藤 彰著、ロジカル・ファシリテーション
●会議の悩みの2段階
-そもそも意見が出ない
-意見は出るがかみ合わない
●議論をかみ合わせるためのファシリテーションスキル
-会議前・冒頭のお膳立て
–設定力
—目標設定
—論点設定
—進め方設定
—共通認識形成
—場所作り
-意見だし
–要約力
—論点認識
—要約
—要約の記録
—意味の明確化
—言い換え
–論拠検証力
—論拠引き出し
—主張引き出し
—根拠の妥当性検証
—因果検証
-議論の全体像・重点の明確化
–構造化力
—関係の発見
—関係の表現
—グループ化
—付箋の活用
—ふりかえり
-最終意思決定
–ホンネ引き出し
–合意点設定
–メッセージの統合
–衆愚への対応
-枠組み力
–フレームワークの理解
–フレームワークの創出
–的確な提示
●会議の準備
-目的
-目標(ゴール)
-論点
-進め方
-宿題
-ルール
●論点は問いで提示する
-良くない論点設定 (様々な意見が出てきてしまう)
–間接費削減
–間接費削減の件
–間接費削減について
-対応する問い
–間接費削減はわが社にとって重要な課題か?
–間接費の中でどの要素が大きいか?
–なぜ間接費が多いのか?
–間接費を削減するにはどうすればよいか?
●会議の進め方
-目的確認
-与件確認
-各人要望だし
-判断基準設定
-再検討
-評価決定
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