Zoomの連携サービスを紹介します。第184回はZoomとZero to Ten (ゼロ・トゥ・テン)との連携です。なお、そもそも「Zoomの連携サービスって何?」という方は、第1回をご覧下さい

すっかり根付いたコーチングだが…

コーチングというコミュニケーション技法は日本にもすっかり根付いた感があります。この連載でも「第121回 ZoomとClasspro連携でコーチングをオンライン化」や「第159回 ZoomとAceUp連携でコーチングを育成に本格利用」でコーチング関連のサービスを紹介してきました。

あるいは、プロのコーチを招聘するという形でなくても、上司から部下へのコーチング的な指導も人気です。パワハラが問題になっているいま、部下の自主性を引き出すためにも上司がコーチングのスキルを身に付けるべきという考え方です。

それそれで効果があるのですが、「そうは言っても、コーチに重きが置かれすぎているのではないか?」という問題意識から生まれたのが今回紹介するZero to Tenです。

コーチングを反転させるZero to Ten

ホームページを見てみましょう。

AT ZERO TO TEN WE FLIP THE MODEL ON TRADITIONAL COACHING.

Zero to Tenでは、伝統的なコーチングをひっくり返します

という刺激的な言葉が目に飛び込んできます。どういうこと?と思って読み進めると、下記の説明がありました。

Self-Directed Performance Coaching® flips the model on traditional coaching and extends the value and benefits of performance improvement that comes from having a coach to a much wider employee base, all in a way that scales both in terms of time and money.

自律的(self-directed)コーチングでは、伝統的なコーチングのモデルをひっくり返し、従業員同士でコーチングを行うことでパフォーマンスの改善が見込めます。時間とお金という観点で効率的です。

とのこと。もともとの英文にはコピーライトマークが付記されていますから、このSelf-Directed CoachingはZero to Tenの発案だと言うことが分かります。

よりくわくい説明としては、下記の5つの領域で伝統的なコーチングとは異なるのだとか。

  1. SELF-DIRECTED: The Learner (often referred to as the “coachee”) takes accountability for running the coaching experience, thereby flipping the traditional model and making the coaching experience truly self-directed. 自律的:学習者(コーチー)がコーチングセッションの実施に責任を持ちます。
  2. SELF-SELECTED: The Learner selects their own coach, rather than have one provided for them.自分で選ぶ:学習者自らがコーチを選びます
  3. SKILL-BASED: The Learner is focused on the acquisition of a specific hard or soft skill, rather than on general, less measurable objectives that often accompany traditional coaching. スキルに基づく:学習者は個別のハードスキル、もしくはソフトスキルを獲得することに集中します。伝統的なコーチングによくある一般的で測定が難しい目標は気にしません。
  4. NETWORKED: The Learner taps into the network effect, allowing them to access multiple coaches who can provide subject matter expertise when and where they need it, rather than work with one coach who may or may not be an expert in what they need. ネットワーク:ネットワーク効果により複数のコーチにアクセスできるので、必要なときにSME (その分野の専門家)に教えを請うことができます。伝統的な、一人のコーチに就くスタイルでは、専門的なアドバイスが受けにくいのです。
  5. COMMUNITY: A Coaching Community® serves as the basis for the coaching effort by providing a pool of willing coaches within the organization to draw upon, significantly reducing the cost to coach and making the process scalable to the entire organization.コミュニティ:「コーチング・コミュニティ」により、組織内でコーチを務めたいという人を確保できます。コストを抑えるとともに、組織全体に広げていくのにも適しています。

Zoomの双方向性がいきるコーチングネットワーク

では、ZoomとZero to Tenの連携を見てみましょう。

Authorize Zoom Web meeting scheduling within the Zero To Ten software. This will allow the Learner to schedule Zoom online coaching sessions with their Coach.  The software is based on the Self-Directed Performance Coaching® approach and encourages users to both “get a coach”, as well as “be a coach.”

Zero to TenソフトウェアからZoomミーティングをスケジュール・起動できます。学習者はコーチとのオンラインコーチングセッションを実施できます。また、このソフトはSelf-Diretedコーチングの考えに基づいているので、コーチングを受けるとともにコーチングを提供することにもてしています。

たしかに、上述のとおり「コミュニティ」や「ネットワーク」によってお互いにコーチングを提供しあうという発想は、双方向性が特徴のZoomと相性が良さそうです。

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