Zoomの連携サービスを紹介します。第109回はZoomとTeams (チームズ)との連携です。なお、そもそも「Zoomの連携サービスって何?」という方は、第1回をご覧下さい。
ZoomとTeamsの意外な連携
MicrosoftのTeamsと言えば、言わずと知れたビデオ会議システムで、Zoomとガチンコで競合しています。ところが、実はZoomとTeamsを連携させる方法があったというのが今日紹介する連携サービスです。
まずはその機能を見てみましょう。
Start, schedule and join Zoom Meetings right from your Team space.. With the Zoom integration for Microsoft Teams, frictionless video communication is as simple as toggling your Zoom Meetings tab or using @mentions from your preferred channel.
あなたのTeamsスペースから、Zoomミーティングを設定、開始、参加することができます。Zoom連携により、Microsoft Teamsタブから、もしくは@mentionsを使うことができます。
「強敵」と書いて「とも」と読ませるフレネミー
冒頭に述べたように、競合する2つのサービス、ZoomとTeamsが連携しているのはなぜか、という謎を解く鍵が「フレネミー(frienemy)」という言葉にあります。これは、
- 友だち (friend)、と
- 敵 (enemy)
からつくられた造語で、「ライバルと同時に友である者」を意味します。日本語の語感で言うと、少年ジャンプ的な世界観で「強敵」と書いて「とも」と読ませるようなものでしょうか。ビジネスにおいては、とくに業界が新たに形成される時期は、ライバル会社があることによって業界そのものが大きくなり認知度がアップする、という考え方があるのです。
たとえば、カーシェアリングが日本で始まった頃は、「そもそも、それって何?」、「本当に便利なの?」、「経済的に得か?」などの疑問がありました。このような消費者の不安を1社だけで解消するのは難しかったでしょう。ところが、オリックスが始めたと言われるカーシェアリング事業にマツダレンタカー、三井物産の子会社カーシェアリング・ジャパンなどをはじめとする参入があったからこそ、短期間のうちに「カーシェアリング市場」が立ち上がったのです。
いつまでも続かないZoomとの蜜月
これにならうならば、ZoomとTeamsも、いま、このコロナ禍の時代、オンラインミーティングでもリモートワークが十分にできるという市場を形成する同士であるとも考えられます。もっとも、このようなフレネミーが「友だち」として作用するのは成長曲線で言うと導入期から成長期まででしょう。成熟期に入ってくると、今度は限られたパイを奪い合うという観点で「敵」の要素が強くなります。ましてや、当連載の「第89回 ZoomとLinkedIn連携…はいつまで続くか?」で紹介したとおり、MicrosoftとZoomは多局面で戦う存在なので、比較的早い段階にこの連携は解消されるような気がします。
ちなみに、TeamsとZoomの連携は、今回紹介した連携サービスを導入する以外にも、設定画面から行うこともできます。Zoom.usにログインして、左メニューの「統合」から設定することになります。
なお、「フレネミー」という言葉、日本では女性誌ananで取り上げられたせいもあって、比較的「敵」のニュアンスが強く受け取られている気がします。したがって、もう一つの用語である「クレイジーキルト」という言葉も紹介します。これは、米国の経営学者サラス・サラスバシー氏によって提唱された考え方で、自社のみならず競合も、顧客も、第三者も巻き込んで、まるでパッチワークキルトのような関係性をつくるのが、起業においては大切であるとのことです。
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