「ファシリテーション」という言葉自体欧米発なわけですが、では現地ではどのように使われているのか?という時に参考になるのがこちらの本…と言いたいのですが、実は原題は”Six Sigma Team Dynamics The Elusive Key to Project Success“と、「ファシリテーション」という言葉は入っていません。

「シックスシグマ」は米GE発の品質管理/組織開発手法なので、むしろこちらが本書の主眼です。シックスシグマを実施していく中でファシリテーション的な頭の使い方が求められるのはたしかですが…タイトルも含めてちょっと頭が混乱してしまうので、心して読むべきでしょう。

ジョージ・エッケス著、ファシリテーション・リーダーシップ―チーム力を最強にする技術

ちなみに、目次も原著と日本語訳を並べてみました。これまた、原著のシックスシグマがファシリテーションに読みかえられていることに気付くでしょう。

【目次】
プロジェクトを成功に導くファシリテーションの力
プロジェクトの準備をする (Ch.1 Six Sigma Team Dynamics: The Elusive Key to Project Success)
問題を未然に防ぐ (Ch.2 The Roles and Responsibilities of a Six Sigma Team)
ミーティングに効果的に介入する (Ch.4 When Six Sigma Meetings Go Bad: Facilitative Interventions and When to Use Them)
プロジェクトを管理する (Ch.5 Managing the Six Sigma Project)
チームの意識を変える (Ch.6 Dealing with Maladaptive Six Sigma Behaviors)
決断を下す (Ch.7 Completing the Six Sigma Project: The Never-ending Responsibility of the Champion)
陥りやすい10の落とし穴 (Ch.8 Pitfalls to Avoid in Creating Six Sigma Team Dynamics)

内容面でとくに面白いと感じたのは、「予防的ファシリテーション」と「介入的ファシリテーション」です(p72)。「予防的」は、アジェンダを設定する、基本ルールを決めるなどミーティングの事前準備を指し、「介入的」は、ミーティング中の参加者の不適切な発言(脱線、他人の発言をさえぎるなど)に対処する方法論を指します。

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