Zoomの連携サービスを紹介するシリーズ80回の区切りを迎えたのでまとめてみます。なお以前のまとめ記事は下記をご覧下さい。

やはり強かったマーケティング分野でのZoom利用ニーズ

では、今回の連載を紹介します。

今回も様々なサービスを紹介しましたが、やはりマーケティング/集客系が多かった印象でしょうか。この中から、ちょっと聞き慣れない言葉、「トライブマーケティング」を取り上げたいと思います。

誰かを信じたい人が集まるトライブマーケティング

トライブマーケティング(Tribe Marketing)のトライブとは、「部族」を指す英語です。まるで部族のように強固なつながりを持ったコミュニティを形成し、それをテコに集客や売上アップを目指していこう、という発想です。

これが広まった背景には、マスメディアに対する不信感があるでしょう。昔であれば、テレビで宣伝しているというのは大きなブランド力になりました。しかし、いまやテレビに対する信頼度は落ちています。数々の「やらせ」のせいで、多くの消費者は「テレビで言っているからと言って信じられない」と感じているでしょう。

結果として、マーケティングの主戦場がネットに移った…かのように見えましたが、ことはそう単純ではありません。トランプ元大統領が頻繁に「フェイクニュース」と叫んでいたことからも分かるとおり、ネット上の情報もその信憑性に疑問があるのが現状です。とくに、2016年に発生したDeNA運営の情報サイト「ウェルク」の問題は、社会的にも大きく取り上げられました。医療という、人の命に関わる分野で根拠に基づかない情報が掲載されており、決定的に「ネットは怪しい」という印象をまき散らしました。

ただ、こうなると「何を信じたらいいの?」となるのが人間の心理。そこにハマったのがトライブ、つまり「仲間が言ってることならば信じられる」という心理でしょう。実際的な手法としては、「コアなファン」を集めるのが主流で、たとえばこれから売れるアーティストを大々的に取り上げて、「彼らがメジャーになれるように応援していこう」というメッセージで結束力を高めるのだそうです。

トライブと相性がいい双方向というZoomの世界観

このトライブマーケティング、必然的にファン同士の交流が必要になります。ポストコロナの時代、そこにZoomがピッタリとはまります。Zoomの売りは双方向性です。単に、「偉い人」から「下々へ」という一方通行のメッセージの伝達よりも、「お互いがフラットな状況での意見交換」の方が実力を発揮します。たとえば、ブレークアウトセッション(BOS)。オンラインでのコミュニケーションでは、大勢の人が一斉に話し出すと、音声が聞こえなくなってしまいます。しかし、BOSでの少人数ならば、思う存分語り合うことができます。しかも、BOSのメンバー交代は自由自在。もちろん、ホストが移動をすると言うのもあるのですが、参加者に共同ホストの権限をつければ、自らが好きなBOSに参加することができます。

あるいは、プライベートチャット機能もきわめて特徴的です。誰か特定の人と二人だけで文字による会話ができるというのは、親密度を高めてトライブ形成に役立つことでしょう。トライブマーケティングのためのプラットフォーム、TribefiiがZoomとの連携サービスを試行しているというのもうなづけます。

ちなみに、いまはまだ実現していませんが、Youtuberとトライブマーケティングの相性はよいのではないかと思います。普段動画を視聴するだけのYoutuberとZoomミーティングによって双方向のコミュニケーションが実現できたら、マーケティングの大きなブレークスルーが生まれそうです。