Zoomの連携サービスを紹介します。第188回はZoomとNoodle (ヌードル)との連携です。なお、そもそも「Zoomの連携サービスって何?」という方は、第1回をご覧下さい

アメリカで高騰する大学の学費

アメリカでは大学の学費が高騰しているというのをご存じでしょうか?1980年と比べると、何と10倍も上がっているとのこと。ちなみに、その間の物価は2倍強の上昇なので、学費だけが突出して値上がりしていることが分かります。結果として、アメリカの大学に進学すると、学費ローンを組まないとやっていけないんだとか。それも半端な額ではなく、卒業時に1,000万円近くのローンを抱えている人も珍しくないそうです。

この理由は色々と言われており、1993年にビル・クリントン政権下で成立した包括財政調整法がその元凶であるとの指摘もあります。もちろんそれはあるのでしょうが、最近のアメリカの社会を見ていると、なんだかあらゆる側面が劣化しているような印象を受けます。選挙がまともに機能しないという民主主義の劣化と、大学の学費が高騰しているというのは、根っこの方でつながっているような気がします。

別の側面からこの問題を考えると、実は大学が「巨大なシステム産業」になっているのも、関係していると思います。昔は、キャンパスさえあれば、教授がいて学生がいて教育が成立していました。もちろんそこには図書館が必要ですし、理系の学部には実験設備も必要で、お金はかかります。それに加えて、最近ではラーニング・マネジメント・システム(LMS)のが大きな負担になっています。データベースに基づいて学生と講座と教材を管理する仕組みは、「巨大なシステム産業」に他なりません。

これに問題意識を持つ大学関係者が、導入煮をホンキで考えたくなるかもしれないのが今回紹介するNoodleです。

コストダウンと短い契約期間のNoodle

ちなみに、Moodleではありません。Moodleは「第115回 ZoomとMoodle連携でLMSを制覇」でも紹介しましたが、Blackboardと世界を二分するようなよく知られたLMSです。今回紹介するNoodleは、それに対抗するように、新たなモデルで価格を劇的に下げられることを謳っています。

では、ホームページを見てみましょう。

If you want to launch stellar online and agile programs and fill them with qualified students, we are more transparent, more flexible and less expensive than conventional OPMs (generally saving schools between $15,000 and $30,000 per student over the life of a program).

もし、あなたが高品質でアジャイル(素早い)オンラインプログラムを作成し、学生を惹きつけたいと思うなら、伝統的なOPMよりも私たちを選んで下さい。より透明性が高く、フレキシブルで、低コストです。(プログラム期間を通して、学生一人あたり15,000から30,000ドルを節約することができます)

という、なんとも刺激的な言葉が並んでいます。仮に1ドル100円で計算すると、150万から300万円も学生一人あたり節約できるわけですから、上述の「巨大なシステム産業」というくびきから解放されるかもしれません。

補足すると、上述の英文の中のOPMはOneline Program Managementの略で、LMSという言葉と比べると、若干コンテンツよりのニュアンスを感じますが、ここではLMSと読み替えてもいいでしょう。

Noodleの魅力は、実は金額だけではありません。実はNoodleはもう一つ重要な指摘をしていて、それが「契約期間が短いこと」。

By comparison, conventional OPMs have long contracts, locking you in for up to ten or fifteen years (we ask only five, though we’re delighted to commit to longer terms), and require you to use their LMS, learning designers, and other services.

伝統的なOPMは、10-15年にもわたる長い契約期間で、あなたを縛り付けます。それに対して、私たちは最短5年の契約です(もちろん、ご要望に応じてもっと長い契約もできます)。

仮に、値段が高いLMSと契約してしまったとして、それを15年も使い続けなければならないとしたら、それによって大学の財政が圧迫されるのもうなづけます。ひいては学費の高騰につながるという構図があるのではないでしょうか。

Zoom連携でもしたたかさを発揮

では、NoodleとZoomの連携を見てみましょう。

The NoodleScheduler app integrates Zoom Video Conferencing into learning management systems (LMS) that support the LTI 1.1.1 standard.   Support LMS’s:Canvas, Sakai.

Noodle Schedulerは、LTI1.1.1をサポートしているLMSとZoomを統合します。対応しているLMS: Canvas、Sakai

この説明にも、Noodleらしい斬新さを感じます。単に自社のプラットフォームとZoomを連携するだけでなくて、たとえ他社であろうとZoomとLMSの連携を提供することにより、ユーザーのよりよい環境作りに貢献しようと言うことでしょう。すでにCanvasは「第113回 ZoomとCanvas LTI連携でバーチャル大学を実現」で紹介しましたし、Sakaiも「第177回 ZoomとSakai連携で料理の鉄人!」で取り上げています。ビジネス面から見れば、「あるものは使う」と言うことで、したたかにコストを下げるための戦略がうかがえます。

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