プレゼンイベントのTEDでの「成功法則」ってご存じでしょうか?

それが、「パワーバイト」と呼ばれる、強いインパクトを与えるキャッチフレーズです。

たとえば、「優れたリーダーはどうやって行動を促すか」で私たちを魅了したサイモン・シネック氏は、

「人は『何を』ではなく、『なぜ』に動かされるのだ」(People don’t buy what you do, they buy why you do it)

というキャッチフレーズを多用しています。

これ、普段のプレゼンテーションでも使いたいですよね。かっこいい「決めゼリフ」があると、聞き手の印象に残るのは間違いありませんから。

では、どうやったらそんなパワーバイトが作れるの?と言うのを解説しているのがTEDトーク 世界最高のプレゼン術です。 著者のドノバン氏によると、

  • 3ワードから12ワードまでの短い言葉に収めること
  • 韻を踏む、もしくは言葉を反復することで音楽を聴いているようなリズムがあること
  • 二つのパートからなるパワーバイトの場合、第1フレーズは否定形で、第2フレーズは肯定文

が強いパワーバイトを生む法則とのこと。これ、まさにさきほどのシネック氏のものにあてはまります。あるいは、スティーブ・ジョブズ氏の”Stay Hungry, Stay Foolish”なんかも典型的にそうでしょう。しかもこれをプレゼンテーション中、最低3回は使うことによって聞き手に印象づけることができるのだとか。

もちろん、上記に紹介した本には、これ以外にもTEDから学べるプレゼンテーションの極意が解説されています。

たとえば、主催者からプレゼンターに前もって伝えられるルール集、「TEDの十戒」も面白いですね。

●内容に関するもの

  • オハコの披露にとどまることなかれ
  • 大きな夢を語れ。あるいは人々の驚きを誘う新しい何かを示せ。もしくは、はじめて明かす話をしろ。
  • ストーリーを語れ。
  • 闇に葬られたくなければ、ステージ上での売り込みはやめるべし。会社や商品、著作の宣伝をするなかれ。資金提供も請うてはならない。
  • 「笑いは宝」と心得よ。

●伝え方に関するもの

  • 好奇心と情熱を惜しみなく示せ。
  • 良き関係作りと最高の議論を目的として、他の話し手の発言には自由に意見を述べるべし。
  • 自慢話に終始するべからず。己の弱みを隠すなかれ。成功とともに失敗を語れ。
  • 原稿を読むべからず。
  • 次の話しての時間を奪ってはならぬ。

こういうのがあるからこそ、クオリティ高いプレゼンテーションを継続的に輩出しているのでしょう、TEDは。

下記、いくつかポイントを紹介します。もちろん、全部が全部普段のプレゼンテーションで役立つというものではありません。たとえば、

はじめに、トピック(スピーチのテーマ)を一つ選びましょう。そこで必要なのは、自分の心の中をじっくり観察してみることです。どんなTEDトークもストーリーが軸となりますが、だからといって「私が人に語れるいちばんすてきなストーリーってなんだろう」といきなり自問してもはじまりません。まずは、自分自身を発見するための問いかけから始めてみましょう。

と言われても、営業マンがお客さんへのプレゼンテーションに使えるわけではないですからね。上記はあくまでもTEDを目指す人専用。

ただ、そうは言ってもTEDのようなプレゼンイベントで検証された方法論は、知っておいて損はないでしょう。ちなみに、著者のドノバン氏は本書の姉妹編とも言えるTEDトーク  世界最高のプレゼン術 【実践編】も上梓していますが、こちらは本書と重複感が強いので、あまりおすすめできません。Amazonのレビュー欄にちょっと面白い裏話が載っているので、それをチェックすれば十分かと思います。ていうか、その裏話を知ると、本書が「ユルい」のもうなずけます。

 

●自分以外の誰かをヒーローにすることが、人の心を動かすストーリー作りのコツなのです

 

●聴衆と心でつながり、相手をインスパイアしたいと思っているなら、人間の持つ欲求について知っておくべきでしょう。

  • 愛と帰属の欲求
  • 欲望と利己の欲求
  • 自己実現の欲求
  • 変化を起こしたいという欲求

●主催者からの紹介文にも気を使い、時には自分で作成する。

  1. プレゼンターがこれから伝えるコアメッセージに関係した内容であること
  2. 聴衆を主体に作られていること
  3. プレゼンターをスター扱いするのではなく、プレゼンターがいかに信頼できる人物であるかを示していること

●科学的な根拠は知りませんが、感情に訴えたい時には左の瞳を見つめ、論理的な議論をしたい時には右の瞳を見つめればよいと勧めてくれたスピーチのコーチがいました。

 

●大事なポイントを話す時は、一箇所にとどまったまま、足先を聴衆の方に向けて立ちます。そして話を止めて間を置き、場所を移動します。移動をやめたら、また話しはじめます。

 

●スライド作り

7×7ルール:7つの「・」と各黒丸ごとに7語以下の言葉を並べる

ゴーディン・メソッド:写真をスライド全体に映し出す

高橋メソッド(高橋征義氏)」わずかな数の単語を非常に大きな文字で並べる

スライド「3分の1の法則」」スライドを3×3の9等分し、できた格子を使って文字や画像の位置をそろえる

 

【目次】

  1. TEDの使命
  2. トピックを選ぶ
  3. キャッチフレーズを作る
  4. スピーチを成功させる「紹介」の秘訣
  5. スピーチのはじめ方
  6. スピーチの本論とつなぎ
  7. スピーチの締め方
  8. ストーリーを語る
  9. スピーチを成功させる言葉の使い方
  10. スピーチにユーモアを盛り込もう
  11. 体を使ったコミュニケーション
  12. 印象的なビジュアル効果
  13. 恐怖心を克服しよう
  14. 本を置いて話しはじめよう