この本はちょっと紹介するのに迷うところ。というのは、著者はプロのライターであり、ファシリテーションを実践する立場ではないから。結果として、「どこかで聞いたことがあるような話」をファシリテーションで味付けした内容が続きます。一方で、ライターらしい幅広い視点もあり、「教育の最前線にいる学校の先生にもファシリテーター的思考が求められている」(161p)、「心理療法とファシリテーションの源流は心理学、心理療法にある」(157p)などは、「なるほどなぁ」と思わされます。

したがって、ファシリテーションにまつわる世の中の情勢を概観する、と言う位置づけで読むべき本かと思います。

草地真著、「明日からリーダーやって」と言われた人のファシリテーションスキル超入門

以下、コンテンツ面でのポイントを。

●会議の進め方(プロセス)
1 いつ(タイミング)
2 誰を集めて(キャスティング)
3 どこで、どんな環境で (場所設定からメンバーの座る位置まで)
4 何について(テーマ)
5 どんな材料とストーリーをもって(プログラム)
6 何を議論してもらい(ディスカッション)
7 どこまで結論を出して
8 結果、会議後のメンバーの行動をどう変化させるか?

●ファシリテーターにもとめられるもの
1 場を作る力 雰囲気、進め方
2 全体を設計する力 場のデザイン力、プログラム力
3 先を読む力(パースペクティブ) 洞察力、直感力
4 聴く力(傾聴力) 聞く力(質問力)
5 伝える力 全体に巻き込む力
6 引き出す力 自分は身を消してちーむの力を最大に
–参加者にどれだけ自分で気づいていくかのプロセスを整えること
–対立の先にある“総意”に気づけるような状態にさまざまな要素・環境を整えていく
7 書く(書き取る)力 記録力、ポストイット作戦
–空中戦から地上戦へ(要素・キーワード抽出力)
–まんべんなく拾い上げる(パーキングエリアの活用)
8 まとめる力  論理力、図解力、構造力
メンバーの思いを出し切り、個々の意見を越えて検討チームとして一つになった共有ポイントを見いだすこと
9 共有する力 分かち合い(シェア)

【目次】
1 ファシリテーションって何
2 なぜ、ファシリテーションスキルが必要なの?
3 ファシリテーション型会議の進め方
4 ファシリテーションスキルが高まる9つのポイント
5 ファシリテーションスキルはいろんな場面で応用できる
6 ファシリテーションの究極は「当事者意識」を引き出すこと

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