Zoomの連携サービスを紹介します。第13回はNGP VAN + EveryAction Meetings (エヌジーピーヴァン+エブリアクション Meetings)です。なお、そもそも「Zoomの連携サービスって何?」という方は、第1回をご覧下さい。
選挙活動にも使えるZoom
Zoomが営業やマーケティングに使われるというのはこれまでの連載で紹介したとおりです。ただ、米国ではマーケティング以外のZoomの大きな利用目的がもう一つあります。それが選挙活動。ちなみに、選挙活動は英語ではcampaign (キャンペーン)と言いますから、広い意味ではマーケティングと言ってもいいのかもしれませんが。
有名なところでは、米元大統領のオバマ氏の選挙戦。ホームページで有権者にアピールする際に、既存のマーケティングの手法を駆使したことが勝因の一つだと言われています。具体的にはSNS。単にホームページで政策をアピールして終わり、ではなく、興味を持った人はSNSに登録してもらい、政策を拡散するためのツールとしたのです。あるいは、「ABテスト」。上記のSNS、ホームページ上の表現方法によって、登録してくれる率が異なります。Aパターンのホームページ、Bパターンのホームページ、どちらの方が登録率が高いだろう、とテストを繰り返すことにより、もっとも登録率が高いページを発見できたとのこと。このようなキャンペーン活動を裏から支えたのは、米Facebookの共同創業者Chris Hughes氏という、生粋のIT人材だったと言われています。
有権者データベースサービス
ここに、今回紹介する連携サービスNGP VAN + EveryAction Meetingsの意義があります。まずNGP VANですが、これは米民主党が主に使うサービスだそうですが、「有権者データベース」です。すなわち、誰がSNSに登録していて、その人が共和党主催のイベントに参加しているのか、等を管理するソフトになります。VANは車のバンタイプではなく、Voter Activation Network (有権者活性化ネットワーク)の頭文字と言えば、ピンときていただけるでしょうか。
この活動、今この時期ほど重要になったことはかつてないでしょう。コロナウィルスの影響で、政治的に限らず集会を開くことはためらわれます。そのような時、zoomを使った演説活動は有効な手段です。いま、米大統領選挙活動の真っ最中ですが、6月24日づけの報道によると、「オバマ氏、バイデン氏のオンライン資金集会に参加 12億円集まる」と言われています(このイベントでZoomが使われたかどうかは明らかではありません)。
米大統領選のもう一方の候補であるトランプ氏は、従来型の集会をやり続け、それが感染源になっているのではないかと批判されているのとは対照的です。ちなみに、バイデン氏は米民主党の大統領候補ですから、NGP VANを使っている可能性は高いでしょう。
ZoomセミナーとNGP VANを連携する
では、具体的な連携についてみてみましょう。
Share data from your Zoom Meetings with your fundraising, engagement, or organizing programs using NGP VAN + EveryAction and Zoom.
Capturing engagement data from your virtual events helps you create effective targeted asks or craft responsive supporter engagement campaigns.
ZoomミーティングとNGP VANの間で、ファンドレイジング、エンゲージメント、組織化プログラムを共有します。
バーチャルイベントを行った際のエンゲージメントを補足することで、より効果的なターゲティングやサポーター・エンゲージメント・キャンペーンの立案ができます
なお、「ファンドレイジング」は有権者からの寄付による選挙資金集めを指します。
さらに具体的に見てみます。
With NGP VAN + EveryAction Meetings you can link Zoom Meetings to events in our CRM. Once they are linked we will: Sync Zoom Meeting Registrations to EveryAction NGP VAN Events、Track attendance at your Zoom Meeting
NGP VAN + EveryAction Meetingsによって、NGP VANのCRM機能の中にZoomを紐付けることができる。Zoomミーティングの申込とNGP VANイベントを連携させたり、Zoomミーティングの出席状況も確認できる
と言うことで、ビジネス界の高度なマーケティング手法が選挙戦にも使われていることが確認できました。
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