リモートワークが広がっている今、会議の手段としてZoomを使うことも多いでしょう。その使い方をチェックするため、田原真人先生のご著書「Zoomオンライン革命!」を読みました。

スカイプよりもコラボレーションを意識しているのがZoom

Zoomを体験する前は、「スカイプと何が違うの?」と思っていましたが、それを明確に説明しているのが本書44pの比較表です。とくに重要なパートを抜き出してみました。

  Zoom スカイプ
ホワイトボード 全員で書き込める なし
録画機能 あり なし
ブレークアウトルーム機能 あり なし

このように、オンラインでの会議・会話だけでなく、コラボレーションを可能にする機能を備えているのがスカイプとZoomの最大の違いであると理解しました。

ちなみに、録画機能は実務においては、複数名で行うと確実だそうです。万が一Zoomの録画機能がうまくいかないときのことを考えて、

録画が失敗したときの予備としてSさんにも録画をお願いします。

というセリフが本書では紹介されています(80p)

遅延がないのがZoomの良さ

スカイプと似たような位置づけとして、Ustreamとの比較もされています。Ustreamは、2010年代前半に盛り上がった動画配信サービスです(現在は終了)。これも、重要なパートを抜き出して比較してみました。

  Zoomウェビナー Ustream
インタラクティブ性 チャット、Q&A、手を挙げる ソーシャルストリーム
アンケート機能 あり なし
遅延 なし 数秒~数十秒

とくに、「遅延」に関しては、コミュニケーションを取るためには致命的であって、Zoomに軍配が上がると感じました。

様々なサービスと連携できるZoom

Zoom外の様々なサービスとも連携できるのもメリットと感じました。たとえば、

パソコンとiPadをケーブルで繋ぎ、Zoomの画面共有から、私のiPadの画面をミラーリングしZoom画面に投影し、iPadの操作手順やKeynoteのスライドを参加者に見せてセミナーを実施しています

とか、

画面共有機能を使って、iPadとApple Pencilを使ってOne Noteに書き込みしながら話を聞いて

とかのZoom会議実践者のコメントは参考になります。また、これは厳密にはZoomとの連携ではありませんが、

プロジェクターを使わなくてもzoomにつながったiPadを、マグネットでホワイトボードに貼ることで、zoomから全体への説明ができます。

と言う実践法も興味深く感じました。

一工夫必要なビジネスでのzoom利用

一方で、ビジネスの会議でzoomをどう使うかは、本書を読んでもあまり得るところはないかもしれません。というのは、本書で扱われている実践例の多くはビジネスではないから。NPOや学習塾など、「同じ目的を持った人が集まって、利害の衝突が起きにくい環境」の事例は、それはそれで美しくはあるのですが、必ずしもビジネスでの参考にはならないでしょう。

同様に、本書で紹介されている意見交換の手法、OST(Open Space Technology)やワールドカフェも、ビジネスの現場で主流をなすに至ってはいないでしょう。

本書からの学びは学びとして活かしつつ、それをビジネスにどう活用するかは、読者にゆだねられているのだと感じました。

[田原真人]のZoomオンライン革命!
画像はアマゾンさんからお借りしました。

次ページ
第2回 一般社団法人おうえんフェス著オンラインイベントの教科書
 
  Zoomの使い方のページに戻る  

お問い合わせ下さい

シンメトリー・ジャパン問合せ窓口

記事には書ききれなかった様々なノウハウをご紹介することができます。ご要望・ご質問をお問い合わせページよりご連絡ください。