意外な発見あり　書評　ZOOMオンライン飲み会の教科書

書籍、「ZOOMオンライン飲み会の教科書」を、類書との違いにフォーカスして書評します。

Zoomオンライン飲み会成功の五つのコツ

同書では、オンライン飲み会成功のコツとして下記五つが紹介されています。

1. 事前に日程を決めよう
2. 出入りを自由にする
3. ファシリテーター(司会)を決めておく
4. トークテーマを決めておく
5. 気になることは積極的に質問しよう

この中から、2番目の「出入りを自由にする」を詳しく見てみましょう。

開始時間と大まかな終了時間だけ知らせておき、出入りを自由にすることで、「子どもの寝かしつけが終わってから参加したい」、「お風呂に入る前にちょっとだけ参加したい」といった、ガッツリ時間はとれないけれど参加しておきたい人のニーズにも応えられます。

とのこと。これは確かに、Zoomによるオンライン飲み会の明らかなメリットです。従来型の飲み会の場合は、「わざわざ会場まで足を運ぶ」ことが必要で、しかも時間帯も夜の早めの時間帯に設定されるのが普通でしょう。そうすると、参加できる人は限られていて、多くの場合子育ての負担がない仕事をしている人になるでしょう。

しかし、Zoomによるオンライン飲み会ではこの成約がなくなるので、子育て注の人や女性でも参加しやすくなると思われます。これまで飲み会に参加しにくかった人が参加することで、飲み会の「質」が変わる可能性があると感じました。

また、「ちょっとだけ参加」というのも可能性を感じます。従来型の飲み会は、回の途中で抜けるトバをシラけさせてしまうと言う懸念から、2時間なら2時間拘束されることが多いものでした。結果として、無駄な時間を過ごしてしまう場合もあります。これが変わるとなると、「忙しくて飲み会に参加しにくい」人も参加しやすくなり、ここにも新たな可能性を感じます。

Zoomオンライン飲み会　ファシリテーターの三つの行動

上記のZoomオンライン飲み会成功の五つのコツの3番目とも関連しますが、ファシリテーター(司会進行役)に求められる三つの行動も紹介されています。それが、

1. 初参加のメンバーに積極的に話しかける
2. オーナーとメンバーを繋ぐ
3. 全員に話題が回るようにする

です。この中から2番目の「オーナーとメンバーを繋ぐ」というものを詳しく解説します。同書によると、

これは、オンラインサロンなどのコミュニティで飲み会を開催するときに意識した方がいいことです。オーナーと直接話すことでメンバーのモチベーションアップにもつながりますし、せっかくの直接話せるチャンスを活用しないのはもったいない。

とのこと。

この観点も、なかなか新鮮です。Zoomオンライン飲み会と聞くと、ついつい「対面で飲んでいた人が、コロナウィルスの影響で会うことができなくなってZoomを使うようになった」と思ってしまうのですが、そればかりではないということです。

オンラインサロンは、オンライン上のコミュニティで、中心人物に著名人を据えるというものでしょう。たとえば、ホリエモンこと堀江貴文氏が主催するオンラインサロン、「堀江貴文イノベーション大学校」には、2020年6月時点で定員2,500人に対して1,374人の参加者がいるとのことです。この参加者は月額11,000円の参加料を払っているので、ビジネスとしても十分以上に成り立つしくみです。

これまでオンライン上でコミュニティを作っていた人たちは、親睦を深めようとなると「オフ会」、つまりオフライン、対面の場で飲み会を行うことが主流だったわけですが、この飲み会すらもオンライン化できるということになります。というか、コミュニティがオンラインなわけですから、飲み会もZoomを使ってオンラインでやるのはきわめて合理的です。

Zoomオンライン飲み会上級者になる7つのポイント

さらに同書では、Zoomオンライン飲み会上級者になる7つのポイントが紹介されています。

1. 事前に参加メンバーの情報を収集する
2. 時間配分に気をつける
3. 自分の名前はわかりやすい表示に
4. イヤホンを使用する
5. 雑音が入らないようにする
6. 議事録をとる
7. 感想をツイートする

ここまで来ると、果たして飲み会なのか、アルコール付きの会議なのかという気もしてきますが…。上述のオンラインサロンの飲み会であれば、確かに議事録も必要なのかもしれません。

あるいは、対面の場で言うと立食パーティーに近いものなのかもしれません。この場合も、事前に参加メンバーの情報がないまま、単に近くの人に話しかけているだけでは意義ある時間を過ごすことはできません。その際、ファシリテーターが引き合わせる役割になってくれると、効率的に進むのでしょう。

画像はアマゾンさんからお借りしました