セミナー講師をやっていると、人間って不思議と思うことがあります。
同じ内容を話していても、参加者の雰囲気が違うことがあるから。「お~、面白い!」と食いつかんばかりに聞いてくれる場合もあれば、「はぁ~、ダリィ~」とあくび混じりに退屈される場合もあって。
人間はおかれた環境で対応が変わってくるんだな、と実感します。
そんな人間ってなんだろう?と疑問に思ったときにぜひお勧めがこちら。
NHKスペシャル取材班著、ヒューマン なぜヒトは人間になれたのか
ポイントは、人間は進化の過程で他者と共感することを獲得していったと言うことにあります。
この本を読んではじめて知ったんですが、チンパンジーは仲間に共感とかしないんですってね。なんでも一人勝手で平気のへいちゃん。
でも、人間は「共感」するからこそここまで繁栄できたとのこと。
ただ、面白いのは、「ズル」をするヤツにはこの共感が及ばないこと。いや、それどころか、ズルをしたヤツが罰せられると快感を覚えるそうですね。
下記、ポイントを。
●人間は他の主と比べてもっとも協力的ですが、…人間の対立は他の動物の対立に比べて、ずっと致命的です。
●人間に協力が必要なのは、「こんなに難産なのは人間だけ」
●アラン・ペニヤ医師、脳卒中で視覚野が失われても、扁桃体が感じる(ブランドサイト)
●シーモア博士の実験、電気ショック。不公正な人の痛みを見た時には、共感に関わる脳の領域が活性化しなかった
●生きるか死ぬかという状況で、無用な争いは避けた方が賢い選択
●ネアンデルタールとサピエンス交代劇の真相-学習能力の進化に基づく実証的研究、赤澤
●サンタフェ研究所、ボールズ博士の実験、「身内に対して利他的で、対外的に非有効なグループ」がもっとも生存確率が高い
●小麦の原産地カラジャダー山、世界最初の宗教的建造物ギョベックリ・テペ遺跡、イラクのネムリク遺跡
●宗教が農業を生んだ?
●私たちはどうやって血縁を基にした小集団で住んでいた状況から、この大集団になるまで変遷を成し遂げたのだろうか
●超自然的な存在に祈ることが、じつは宗教の中心的な役割を果たしていた
●農業は西アジアで生まれた
●ラトガース大学エリザベス・トリコミ博士の研究、「金持ち」も格差をいやがる
●社会の所得格差の拡大につれて、人は早く死ぬ危険性が高まる、近藤
●アテネにおけるコインの発祥と悲劇の成立
●銀を製産するための木材の消費が沼地を生みマラリアを猖獗せしめた
前ページ 野村克也著、野村ノートを読む |
次ページ 坪谷 ニュウエル 郁子著、世界で生きるチカラ—国際バカロレアが子どもたちを強くするを読む |
|
---|---|---|
講師として人間を理解するのページに戻る |
- 投稿タグ
- ★★★★★