ジョン・ウッデンという名前をご存じでしょうか?アメリカのプロバスケットボールリーグ、NBAでは伝説とも称される名コーチです。このウッデン氏のコーチングのの基本となる考え方が「反復練習」だそうです。すなわち、試合を再現する実践練習ではなく、試合をあえて変形させて特定のスキルを伸ばす反復練習に重きをおいたのが成功の秘訣だとか。
セミナー講師なら誰もが興味を持つようなこんな話を詳しく解説してくれているのがダグ・レモフ先生のご著書「成功する練習の法則―最高の成果を引き出す42のルール」です。 
上達のための42の法則
まずは、42の法則から紹介します。
- 成功を体感できるものにする
 - 最大の価値を生むに、20%に集中して取り組む
 - 無意識にできるようになるまで徹底する
 - 無意識にできるようになれば創造性が解き放たれる
 - 目的を目標に置き換える
 - 得意分野を見つけて磨きをかける
 - 実戦練習ではなく反復練習でここ上達する
 - 批評ではなく正しい方法でやり直しを求める
 - ゲームを分析する
 - スキルを分離して個別に練習する
 - スキルに名前をつけて共有する
 - スキルを統合して練習を本番に近づける
 - 練習計画を立てて修正する
 - 一分一秒を大切にする
 - 手本と手順書の両方使う
 - 事前にすべきことを伝える
 - できそうと思わせる手本を示す
 - 完全な手本を示す
 - 手本をそのまま真似させる
 - 分解して手本を示し、繰り返す
 - 手本に近づく道筋を示す
 - ビデオを活用する
 - フィードバックを取り入れて練習する
 - フィードバックをまず活用し後で考える
 - フィードバックのループを短くする
 - フィードバックのポジティブな力を使う
 - 少数のポイントに集中する
 - フィードバック音声のこととする
 - 問題ではなく解決策を説明する
 - フィードバックを定着させる
 - 間違いを練習の一部にする
 - 練習の障害を打ち破る
 - 練習を楽しくする
 - 全員が挑戦する
 - 仲間同士の責任感を強める
 - 練習のための人材を選ぶ
 - 仕事を褒める
 - できているかどうか観察する
 - 本番中には教えず思い出させる
 - 練習について絶えず話し合う
 - 支援と有給のバランスをとる
 - 成功を計測する
 
スーパースター教師のテクニックを学ぶ
本書を執筆したいきさつについても解説します。著者たちは、アメリカの貧困地域の公立小学校で働く素晴らしい教師たちの研究をしていたとのこと(著者のひとりダグ・レモフ著「Teach Like a Champion」参照)」。お子様をお持ちの方ならばご存じだと思うのですが、学校のクラスというのは先生によって雰囲気がガラッと変わります。経験がない、あるいは頼りない先生が担任だと、クラスもなんとなく浮ついたりあれたりします。一方で、ベテランのしっかりした先生が担当すると、ピシッとしまった、いい意味で緊張感がある雰囲気が生まれたり。
このような教師のスキルは、上述の貧困地域でならば、より求められるでしょう。就学年齢までの生活も不安定だった生徒が多いでしょうから、より教師のスキルが求められるでしょう。そのような中で成果をあげている教師を「スーパースター教師」と呼び、その人たちの持つテクニックを他の教師に伝える活動をされていたとのこと。
特定の手法を披露するスーパースター教師の短いビデオクリップを、参加者の教師たちに次々と見せた。それを分析し、議論して、教師たちがその手法の微妙な加減や応用例をすべて理解したら、次のテクニックに進んだ。ワークショップの評判は上々だった。
とのこと。ただ、実はこれだけでは十分ではなかったとのこと。なぜならば、ワークショップに参加した教師たちは、スーパースター講師のテクニックを「分かる」ものの、「できる」ようにはならなかったから。そこで、ワークショップの位置づけもテクニックを「練習する」場に代わっていったとのことです。
このような試行錯誤を経て確立された上達の方法論が、上述の42の法則なのです。
フィードバックを「使う」スキル
上述の42の法則の中の23番目、「フィードバックを取り入れて練習する」を見てみましょう。ここでは、著者は書き3つの提案をしています。
- フィードバックを「使う」ことは、受け取るのとは違うスキルだ。どんどん使って、それが特異な文化を創り出そう。
 - できるだけ早くフィードバックを使った練習をさせる
 - すぐにフィードバックを使えば、効果があったかどうかをマネジャーやコーチも確認できる
 
以下、その他のポイントを。
- コイル、The Talent Code
 - レモフ、Teach Like a Champion
 - 教師に直接教えることから、彼らのコーチを訓練することに切り換えなければならない
 - 教育政策コンソーシアム(CPRE)の最近の政策提言によると、学校への支出全体の3-6パーセントが専門能力開発に向けられている
 - fourfourtwo.comに技術向上に関するビデオを掲載している
 - サントーヨ、Leverage Leadership A Practical Guide to Building Exceptional Schools
 - イーグルマン、意識は傍観者である
 
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