海外でプレゼンテーションやることになったんだけど…どーしよー!

という時に思わず手に取ってしまうのがこちらの本。

ヤマダアツヒコ著、海外プレゼンテーション入門 海外で伝わるプレゼンテーションの手法とスライドのつくり方 単行本

著者は、プレゼンテーションの本としては異色のデザイナーの方。いすゞ自動車やマツダにてチーフデザイナーとして活躍されたとのこと。その際に、多国籍チームを率いた経験が本書の基礎になっているとのことで、信憑性はバッチリです。

さらに本書が面白いのは、「書き込み式」になっているところ。ポストイットを使うのですが、必要な事項を書き込んで本にぺたぺた貼り付けていくとストーリーボードができるという仕立てで、これはデザイナーの方ならではの工夫でしょう。

プレゼンテーションの題材としては、Personal Branding Presentationということで、1分程度のものに取り組むという仕立てです。

この作成ステップは、

  1. Objective プレゼンテーションの目的を定義します
  2. Script スクリプト(台本)をつくります
  3. Keywords スクリプトからキーワードを選びます
  4. Slide plan スライドプランを描きます
  5. Slides 本番用のスライドをつくります

というもの。

一般的にはプレゼンテーションの際に台本をつくることはお勧めできませんが、英語でプレゼンするという観点ではあってもいいかもしれません。

これをいわば練習として、次はいよいよ本番というべき提案用プレゼンテーションに取り組みます(Planning Narrative Structure)。プレゼンの構成は、

  1. 状況分析
  2. 提案
  3. 結び

という一般的なもの。内容の作り込みのために、「ストーリーボード」と著者が呼ぶスクリプト・スライドを含めたプレゼンの全体計画を練るところから始めます。なんとなく、映画の絵コンテを思わせますが、これもデザイナーだった著者独自の手法と言えそう。

ただ、この方法論を実際に使いこなすのは熟練が必要だろうな、というか、デザイナーとしての訓練を積んでない人間にはちょっとムリかも、と思ってしまいました。著者はサラッと書いてますが、スクリプトとか、その前提となったストーリーを思いつかないところがプレゼンの苦労なわけで、著者ほどとはいいませんが、ある程度プレゼンに慣れた人が次のステップに進むためのホント位置づけた方が良さそうです。

前ページ
岩田 ヘレン 著、英語の仕事術: グローバル・ビジネスのコミュニケーションを読む
次ページ
上野陽子  著、スティーブ・ジョブズに学ぶ英語プレゼンを読む
 
  英語プレゼンのページに戻る  

お問い合わせ下さい

シンメトリー・ジャパン問合せ窓口

記事には書ききれなかった様々なノウハウをご紹介することができます。ご要望・ご質問をお問い合わせページよりご連絡ください。