大切なプレゼンテーションほど念入りに準備をしておきたくなるもの。資料もしっかり作り上げ、本番と同じようにリハーサルをしておこうという方もいらっしゃるでしょう。ただ、本当に「本番と同じように」リハーサルができるのかというとできませんよね。
本番では、目の前に様々な聞き手がいます。威圧的な態度の聞き手、退屈そうにしている聞き手、時々隣りの人と何か言葉を交わしている聞き手…そんな聞き手を目の前にすると初心者プレゼンターは何か失敗をしたのではないかと不安になり、心拍数がどんどん上がっていきます。心拍数が上がることで時間の感覚がずれていき、時間より早く終わってしまうことが多くなります。
リハーサルは大抵の場合、プレゼンターにとっていい環境で行われますが、本番と違う環境の中で通しで行うリハーサルは、やらないよりはマシという程度のものでしょう。
リハーサルの前にすべきことがある
リハーサルの前にまずやるべきことがあります。それは、プレゼンテーションの内容を次の4つのパートに分けることです。
・つかみ
・問題提起
・本題
・まとめ
大きく4つに分類したら、それぞれのパートにかける時間と話すポイントを確認します。
リハーサルでやるべきこと
リハーサルでは、それぞれ4つのパートの出だしを練習します。大抵、出だしが上手く話せるとその後が話しやすくなります。何時何分になったらこの出だしの言葉を言う、と決めておきます。
リハーサルでやるべきもう一つのことは、メンタル・アンカリング。会場で1つの立ち位置を決めます。そしてその立ち位置からある物を眺めて深呼吸して気持ちを落ち着けてください。あるものとは、時計、壁の傷、カレンダーの絵…会場にあるものなら何でもいいのです。
プレゼンテーションの途中で緊張してしまったりドキドキした時には、リハーサルで決めた立ち位置に立って自分で決めたあるものを見て深呼吸することで落ち着きを取り戻すことができます。
プレゼンテーション本番では
また、プレゼンテーションの本番では、リハーサル前に分類したパートごとの時間配分を守れるようにすぐに目につく所に時計を用意しておきましょう。とは言っても時計をチラチラ見る必要はありません。次のパートに進む時に時間を確認できればいいのです。進行が早く進んでいるようであれば、次のパートに補足説明を入れるなどの調整をして時間を膨らませます。進行が遅れている時には、リハーサル前に確認したポイントにしぼって話しましょう。パートごとに時間調整をすることで最後に大きく予定時間からずれるという症状を防げます。
また、時間の調整を上手くできるようにするためには、準備したことを全て話すという心構えではなく、もともと準備したことの中からピックアップして話すという心構えでいましょう。そうすると、時間が余った時には準備していたもののピックアップしなかった部分を話すことができますし、同じことを2度説明するという失敗がなくなります。