「先生業」の一つであるコンサルタントって集客が難しいそうですね。売り物が「自分自身」であるだけに、「コンサルはいりませんか~」と売って歩くワケにもいきません。そんなことしたら信頼が下がってかえって集客できなくなってしまいそう。実際、外資系コンサルに務めていた人が独立したはいいけれど、集客に苦戦しているという話もよく聞きます。
で、これはセミナーも似ています。セミナー主催者自らが、「私のセミナーに来てよ!」というのは安っぽくなってしまって、集客上はデメリットがあることもあるのです。ということで、コンサルの集客の方法論からセミナー集客を学ぼうとチェックしたのが和仁達也先生の「<決定版>年間報酬3000万円超えが10年続くコンサルタントの教科書」です。書名はちょっとあおり系でアレですが、中身は極めて真っ当で、集客はもとより、「先生業をビジネスとしてどう成立させるか」のノウハウが満載です。
セミナー集客でも難しい値付けの悩み
たとえば、値付け。これまたセミナー集客も同じですが、コンサルも形がないものだけに「いくらにするか」を決めるのは難しいのです。その値付けをしてお客様が買ってくれるかどうかがなかなかつかめません。こんな悩みに対して、和仁先生はズバリと結論を出してくれます。
まずコンサルタントが認識しておかなければならないことは、「見込客の頭の中にはすでにおおよその相場観がある」ということです。…「自分が何と比べられるかを、相手任せにしない」ってことです。つまり、「自分は誰と比べられたいかをこちらから提示する」ということです。
そう、この相場観とかけ離れていると「高い!」となって集客は難しくなりますし、逆にモノ自体が高くても、相場観と一致しているならば「まあ…そんなもんかな」とお客様は納得してくれるものです。
そして、この本の素晴らしいのは、これを実現するためのセリフも載っているところ。たとえばコンサルをこれから始めるとして、どんな話をするとお客様の中に適切な相場観を形成できるでしょうか?和仁先生の答がこちらになります。
「今月から独立することにしました。新入社員を1人雇うぐらいの投資額で、社外にいるけどNo.2の幹部社員みたいな立ち位置でコンサルをやろうと思っています」
このセリフを聞いたお客さんの頭の中には、「新入社員一人分ってことは、20万円ぐらい?いや、社会保険費も入れるともうちょっとか…」という相場が形成され、自分の値付けが正当化されるのです。ちなみに、和仁先生は最初は月額15万円でコンサルを提供していたそうですから、お客さんは「ほう、以外と安いね」と思ってくれたかもしれません。
リピーター獲得がセミナー集客のキモ
和仁先生が説くコンサル集客で、セミナー集客にも活かせるもう一つのポイントが「リピーターを獲得する」こと。コンサルの場合には、一度顧問契約を結んだお客さまに継続して契約してもらうことになりますし、セミナーの場合には一度セミナーに来てくれたお客様に再度(別の)セミナーに来てもらうことになります。
まず、コンサルのノウハウから見ていきましょう。
経営者、とくにたたき上げの社長がコンサルタントに求めていることは、正解を教えてもらうことではありません。…社長がコンサルタントに求めていることは、「見落としていた盲点に気付かせてもらうこと」です。たとえば、社長自身では、選択肢がせいぜい2つか3つしか浮かばなかったところを、コンサルタントが4つ、5つ、6つあることに気付かせてくれる。あるいは、「これで万全」と思いこんで社員に号令をかけようと思っていたプランに致命的なミスがあることに事前に気付かせてくれる。
これをセミナー集客に応用するならば、「セミナーのたびにお客さまに気づきを与える」となります。「気づきを与える」と言うところがポイントで、必ずしもお客さまが知らない「知識」を与えるのでなく、「知ってはいたけどそういう観点で見たことはなかった」と言う感覚を与えるのが、リピーターを生むセミナーの秘訣です。
今の時代、情報収集は簡単にできますから、単に知識を伝えるだけのセミナーでリピーターを獲得することは難しいのです。たとえセミナーに集客できたとしても、参加者の方が「この分野のだいたいのところは分かりました。あとは自分でやってみます」となってしまったら、もう一度セミナーに来てはくれないでしょう。そうではなく、「この先生の話を聞くと、これまで自分が気付かなかった新たなものの見方ができる」となれば、「もう一度話を聞いてみたい」となり、リピーターを生み出すことができるのです。
セミナーを軸にしたビジネスモデルとは?
ここまではどちらかというと集客の話ですが、より大所高所の視点から「ビジネスモデル」、つまり「どうやって儲けのしくみを構築するか」に関しても、和仁先生は、セミナー集客にも使えるいくつかの形態を紹介してくれています。ここでは名称だけを紹介するので、ピンときたかたはぜひ本書を手に取ってみてはいかがでしょうか?
- 認定講師モデル
- 新・家元制度モデル
- 顧客獲得型セミナーモデル (コンサル受注がバックエンド)
- 養成塾&コミュニティモデル
- 会員制モデル
- 紹介システムモデル
- 営業のじょうご構築モデル
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