Zoomの連携サービスを紹介します。第128回はZoomとNearpod (ニアーポッド)との連携です。なお、そもそも「Zoomの連携サービスって何?」という方は、第1回をご覧下さい。
バーチャル・リアリティによる教育
バーチャル・リアリティ(VR)は一部の人から熱烈な指示を受けています。例の、ごついゴーグルをつけて仮想現実を楽しむというやつですね。ゲームは大人気ですし、中にはVRゲームでダイエットに成功したなんて人もいます。
これを教育的観点で使おうという流れもあり、プレゼンテーション・カレッジ代表の木田も、昨年参加した世界最大の教育カンファレンス、ATD (Association for Talent Development)で実際に体験してきました。いわく、
没入感があってスゴイのは分かるけど、コンテンツを選ぶんだろうな
とのこと。そして、このVRの教育コンテンツを集めたプラットフォームが今回紹介するNearpodです。
VR教育コンテンツのプラットフォームNearpod
Nearpodを取り上げた日本語の記事もあるのでそちらから見てみましょう。LearningBoxさんの記事曰く、
Nearpodは幼稚園から高校生まで学べるVRのコースを約100種類以上を用意しており、学校の先生が授業の教材として使うことができ、また、Nearpodを通して、先生が生徒の回答・反応を収集することができる授業を進めるためのプラットフォームとしての役割を担っているとのことです。
とのこと。確かに革新的な取り組みだと感じます。ただ、一方で、
教室での利用が多いので、タブレットがメインで活用されており、VR見たり、授業の教科書・ノート代わりになっているようです。
ということで、あらら?と言う気がしないでもありません。
そう、VRを教育に使う際の難しさの1つは、ゴーグルの問題です。仮に1クラス30人だとして、一人1台のゴーグルを買ったら、かなりの初期投資が必要になります。と言って、一台のゴーグルを使い回していると時間がかかってしまいます。「いや、そこまでしてVRにこだわる必要あるの?」という疑問が出てくるでしょう。
しかも、コストという観点では、VRの動画をつくるのにもお金がかかります。そうすると、分野を選ぶ必要があり、「訓練したいけど危険だからVRが適している」、「精密な操作が必要で、ミスしたときの影響が甚大」というものが適しているでしょう。実際、上述の木田が体験したVR教材も、工場でのメンテナンス業務とお医者さんの手術と言うことだったそうです。
これを踏まえて、改めてNearpodのホームページを見てみましょう。そこには実はVRを前面に押し出しているわけではなく、むしろ動画コンテンツが充実している、という位置づけです。Nearpod自身も難しさに気づいて、ピボット、つまり事業の方向転換をしたのでしょうか。
むしろ先生が恩恵を受けるVR
では、ZoomとNearpodの連携を見てみましょう。連携によってNearpodプラットフォームからZoomミーティングが開始できるというのはいつもの通り。一方で注目すべきは、こちら。
Sync interactive lessons across student devices, get in-the-moment insights into each student’s understanding, and access reports to inform future instruction.
生徒の端末と同期をすることで、その瞬間の生徒の理解度の測定ができます。それをレポートにまとめることで、次の授業の質の向上につながります。
VRというのは、「まさに目の前にいる」ような没入感が特徴です。この技術を逆転して使えば、たとえオンライン授業であっても生徒が「まさに目の前にいる」ように見えて、教える側の指導力アップに役立つと言うことでしょう。確かにこれならば、VR技術は意味がありますね。
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