Zoomの連携サービスを紹介します。第76回はZoomとVoiceVibes (ボイスバイブス)との連携です。なお、そもそも「Zoomの連携サービスって何?」という方は、第1回をご覧下さい。
アメリカでは「できて当然」のパブリックスピーチ
2020年9月29日(火)夜、米国の大統領選の公開討論会が行われました。結果としては、非難の応酬で両候補ともみっともない姿をさらけ出しただけですが、アメリカにおいては「人前で話す技術」が重要視されることを表すものであることは間違いないでしょう。「パブリックスピーチ (public speech)」と言われますが、学校の授業でも人前で話す技術は取り入れられているくらいです。
逆に、口下手な人はアメリカでは生きにくいのかもしれません。日本でもそういうところはありますが、それでもまだ「寡黙な人」で済まされるところはあります。時には、「沈黙は金」、「巧言令色少なし仁」なんて、言われて、存在感を増したりして。でもアメリカではそんなことはなくて、「黙っていることは無能のあかし」なんて思われているのかもしれません。
そんなアメリカ人が密かに(?)利用するのが、VoiceVibesのようなサービスなのでしょう。
人工知能によるプレゼン添削サービスVoiceVibes
VoiceVibeはAIによるプレゼン添削サービスです。ホームページを見てみましょう。
The way you speak can boost—or destroy—your credibility. VoiceVibes is an AI-powered practice and coaching platform that helps people sound more natural and polished when they speak, so they can transform how others perceive them.
話し方1つで信頼性は上がったり下がったりします。VoiceVibesは人工知能(AI)による練習とコーチングのプラットフォームです。より自然に、洗練された話し方になるので、周りの人からの印象が変わります。
というもの。この、AIを利用したというところがポイントで、これならばいくら練習しても恥ずかしくありません。逆に、人間のコーチがいたとしましょう。自分のプレゼンをその人に見てもらっていちいちダメ出しされるのは、気持ちが凹みそう。というか、スピーチが下手な人は、人に見てもらうためにはまず練習しなければ、と思うのかもしれません。そんなとき、自分で練習するだけよりも、AIによる添削があった方がうまくいくのはいうまでもないでしょう。
別の観点から、このパブリックスピーチを見てみましょう。それが、企業の立場です。会社の従業員、とくにセールスや顧客サポートに所属する人が「話し下手」だったら、会社の業績に問題が出ることは想定されます。実際、サポートセンターに電話して、「なんだか感じ悪い対応」に嫌気がさして、「もうこんな会社とはおさらば」と思ったことがある人も多いでしょう。
VoiceVibesの試算によると、
Poor communication can cost companies $26,000 annually per employee.
コミュニケーションがダメな従業員は、一人あたり年間26,000ドルの損害を会社に与えている
とのことです。これを改善するために、安価で即効性のある、しかも継続して使える教育サービスを取り入れたいというのは、経営者なら誰でも思うのではないでしょうか。
Zoomでプレゼンの練習ができる
では、VoiceVibesとZoomの連携を見てみましょう。
Record or upload any speech or practice session, or easily select and analyze segments of your zoom recordings (from 15 seconds to 15 minutes) to receive personalized, automated feedback in minutes.
スピーチの練習をアップロードして下さい。あるいは、Zoomミーティングの録画のどこかのパートを指定するのでもけっこうです(15秒から15分)。すぐに個別のフィードバックを自動生成して送ります。
Zoomの録画機能というのは便利なものですが、これをスピーチの練習に使うという発想はありませんでした。さっそくにでも取り組んでみたいと思わされました。
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