スティーブ・ジョブズのプレゼンテーションの秘訣9項目
故スティーブ・ジョブズ氏がプレゼンの名手であったのはご存じの通り。そのテクニックを具体的かつ英語の勉強も兼ねて紹介しているのが、上野先生の著書「スティーブ・ジョブズに学ぶ英語プレゼン」です。冒頭では、「スティーブ・ジョブズの英語プレゼンを解剖!」というテーマで、彼のプレゼン上手に秘訣が9項目にまとめられています。
- 冒頭で注意を引く
- 経緯を報告
- ロードマップを描く
- 敵役の登場
- ヒーローの登場
- デモ
- 多角的にアピールする
- 目標と数字の提示
- 効果的に締めくくる
敵役とヒーローでストーリーを描くプレゼン
この中でも特に面白いのが、4番の「敵役の登場」と5番目の「ヒーローの登場」。これは、さらに詳しくは、
- 敵は何か (従来の問題点)
- 疑問の提示 (なぜ問題で、どんな問題を、どう解決するか)
- 正義の味方(ヒーロー)は何か (問題解決・新製品)
- 被害者を救う手立ては何か (ユーザーの問題解決・デモ)
からなります。たとえば、iPhone発表のプレゼンテーション(Macworld San Francisco 2007 Keynote Address)では、こんな風に従来のケータイ電話を敵役にします。
The most advanced phones are called smart phones, so they say. … and the problem is that they’re not so smart and they’re not so easy to use.
最先端の電話は「スマートフォン」と呼ばれる。まあ、一応ね。… 問題は、これらはあんまりスマートでもなければ、使いやすくもないことだ
なお、本書の後半では実際にスピーチとその翻訳が掲載されているので、ジョブズ氏のテクニックがどのように効果的に使われているかが分かります。
そして、お次は当然ヒーロー、すなわちその敵役をやっつけて、従来の問題を解決するソリューションの登場です。
We solve it with a bit-mapped screen that could display anything we swant. Put any user interface up…
私たちは、何でも表示できるビットマップスクリーンでそれを解決したんだ。どんなユーザーインターフェースでも映し出せる
このようにストーリー仕立てでプレゼンされると、単にiPhoneの優位性の説明よりも感情移入できるのは言うまでもないでしょう。
たとえ話でいきいきとプレゼンする
また、冒頭の9つの秘訣の中の7番目、「多角的にアピールする」をさらに詳しく見ると、
- 共感できるたとえ話
- シンプルかつ効果の高い表現を使う
- 視覚に訴える
- 機転を利かせる
となります。その中でも「たとえ話」は特に印象的です。上述のiPhoneの発表プレゼンでも、
iPhone is like having your life in your pocket.
iPhoneは、まるで生活をポケットに入れているみたいなものだ
と言っていますし、もう一つ有名なプレゼンテーション、スタンフォード大学の卒業式のものでも、
It (the whole earth catalog) was sort of like Google in paperback form
グーグルをペーパーバックにしたようなもので
と言う表現を使って、いきいきと表現しています。
もちろん、プレゼンの達人ジョブズ氏の技をそのまま真似できるわけではありませんが、それでも参考になるヒントがいっぱい。英語でプレゼンに臨む方は、一読の価値があると思います。
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