プレゼンテーションの初心者だし、苦手だからこそきちんと話すことをメモにしておかなくちゃ、と一生懸命にシナリオを作って練習する方ほど陥りやすいワナがあります。

それは、シナリオに頼りすぎて聞き手の反応を無視してしまうというワナ。

練習している時はシナリオ通りに読めばいいので、練習を重ねるほどシナリオが頭に入ってきて自信が付きます。ところが、いざプレゼンテーションの本番と言う時、聞き手という人間相手ではシナリオ通りに進めても理解してもらえない時もあります。

そんな時にはもちろん、プレゼンテーション中に説明を追加する必要がありますよね。ところがシナリオを作って読んでいては、聞き手の反応を感じ取ることができないだけでなく、シナリオ以外のことができなくなってしまいます。

プレゼンの目的は、聞き手の行動を促すこと

そもそも上手なプレゼンテーションとは何か。スラスラと立て板に水のようにきれいな声で話すことではありません。プレゼンテーションの目的は、プレゼンテーション後に聞き手にこちらの期待する行動をとってもらうことです。そのためには、聞き手がどのくらいプレゼンテーションの内容に共感して理解しているかが重要です。プレゼンテーションの途中で聞き手が理解できなくなっているのにそのまま進めてしまっては、とてもこちらの期待する行動はとってもらえません。

聞き手の反応によってプレゼンテーションを少しずつ変えなくてはなりません。誤解を恐れずに言うならば、シナリオを作ってはいけません。一対一で誰かと話す時、要点は決めたとしてもシナリオは作りませんよね。プレゼンテーションは複数の人がこちらの話を聞くという状況が多いですが、本質としては聞き手一人一人と会話をしているのです。伝える要点はしっかりまとめる必要がありますが、シナリオにする必要はありません。

実際、プレゼンテーションの書籍「心をつかむビジュアル・ストーリー型プレゼンテーション」でも、女子大生たちがプレゼンテーションを習得するためには、最初はシナリオに頼っていたのが、練習を積むことによって徐々にシナリオを忘れるという流れが紹介されています。

プレゼンテーションはテレビではなくスタジオライブ

プレゼンテーションはテレビではなくスタジオライブなのです。聞き手にとって、話してが自分に向かってしっかり話していると感じられると、より共感や理解につながりやすくなり、最終的には提案されている行動をとることへつながります。

プレゼンテーションの成功はスラスラ話すことではなく、聞き手にこちらの期待する行動をとってもらうこと。そのためにも、シナリオは大きな落とし穴があると肝に銘じておきましょう。

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